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第三章 17

 レンの声にこたえるように安楽の足元にいた者達からは青い人魂にも似た光が浮かび上がり、亀の甲羅へと吸い込まれるようにして消えていく。


 そうしてすべての光を取り込んだ亀の甲羅が割れたかと思うと、その中からは青い炎に包まれた羽根を持った一羽の鳥が生まれた。


「これは……」


 その美しさに安楽は思わず手を伸ばすが、その指先が燃え盛る羽根にふれた瞬間、安楽の指は一瞬にして青い炎に包まれた。


「あ、あぁぁぁ! 指が……手がぁぁぁ……」

「お前のような者が触れられるわけはないだろう。この鳥は死者達の想いが集まって生まれたカーだ」


 青い鳥はレンの肩に留まると、痛みに叫ぶ安楽をただじっと見ていた。


「お前など審判にかける必要もない。お前の心臓は羽根よりも軽い」


 指先を焼いた青い炎は腕を伝い、やがて安楽の全身を包み込む。


「は、腹が、腹が裂けて……中身が、なぜ空に……」


 青い炎を包まれながら安楽は自分の腹をかきむしりながらつぶやくが、腹は裂けてなどいない。


「どこだ……? 私の腹の中身は、一体どこに行ったんだ……!?」


 安楽はひとり叫び、腹をかきむしり続けている。

 それは死者達の悲しみと怒りが安楽に見せた幻覚であった。

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