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第三章 12

「そいつがお前に刺される前に、そいつの魂をバーが俺の元に運んできた」


 璃兵衛は自分の左胸に手を置いた。


「俺の中には俺とレン、ふたつの魂がある。だからそいつは刺されても死ななかった。そして俺は心臓を共有しているおかげで、墓を掘り返せるくらいの健康な身体を手に入れた。代償としてふたつの魂を俺が持つことになったがな」

「私を騙そうとしてもそうはいかない、そもそもミイラがよみがえるわけがないだろう!」

「なら、もう一度やってみればいい。それでお前の気が済むなら好きにしろ」

「お前、他人事だと思って適当なことを言って……っ……懲りないな、お前も」


 話の途中で再び短刀を突き立てられたレンは不機嫌そうに安楽を見下ろした。


「ほ、本当に、死なないだと……不死身か、こいつは」

「お前なら、これを見ればわかるんじゃないのか」


 レンは着物の胸元を開けると、そのまま両の袖を抜いた。

 太陽の下で生きてきたことを思わせる肌の色が提灯のあかりに照らされる。


 傷ひとつない肌が続く中、脇腹のあたりに一筋の傷が走っていた。

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