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第三章 10
その言葉に同意を示すかのように璃兵衛のそばにいたバーはレンの元に向かうが、すぐに腕を差し出した璃兵衛のところへと戻っていった。
「そもそも、お前は墓を掘り返すことも日常茶飯事のようなところが……っ」
「何をのうのうと話しているのです?」
安楽の逆の手にはいつの間にか別の短刀が握られており、その先はレンの左胸に深々と突き立てられていた。
安楽が柄から手を離すと、レンはそのまま後ろに倒れていった。
璃兵衛は何も言わず、ただじっとレンが倒れていくのを見ているだけだった。
「おやおや、悲しみで声も出ませんか。ですが、私を差し置いて話をしていたのが悪いのですよ」
「そうだな、お前の言うとおりだ」
「寺のやつらもそうだった。私の考えを理想だ考えなしだと見下して馬鹿にして。けれど、私はもう違う……菩薩と呼ばれ、崇められる存在となった……はははは、ざまぁみろ! 私を馬鹿にしてきたやつらなど足元にも及ばない!」
「ありがたいご高説をどうも。これであいつの目も覚めるだろう」
璃兵衛は倒れているレンに向かって告げた。
「起きろ、レン」




