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第三章 7

「たしかにお前の言うことは一理ある。地獄と呼ばれる場所や日本神話に登場する根の国、異国に伝わる神話の中でも地獄と同じ類いの場所があるのは地底とされていることが多い。逆に浄土、天国とされる場所があるのは、天上とされていることが多い」

「なんと……話のわかる方と出会えたのは、あなたが初めてです」


 安楽は先程までの態度とは打って変わって喜びを隠しきれない様子で、璃兵衛を見ていた。


「あなたがよければ、私と手を組みませんか?」

「手を組む?」

「ええ、そうです。浄土を作り上げるのです。あなたの知識があれば、もっとこの理想を、浄土を広げていくことができる……それはあなたにとっても素晴らしいことではありませんか?」

「勘違いしてもらっては困る。俺はお前の考え方を認めたわけでもなければ、お前に共感したわけでもない。ただ神話としての共通点を認めただけだ」

「そうですか……残念ですが、あなたも皆と同じになってもらわなければなりませんね」


 安楽は棚から短刀を手にした。

 その柄は赤黒い染みがあり、刃は怪しく光っていた。


「あなたは木乃伊にするよりも剥製にした方が高く売れそうですね」

「木乃伊も作れるとは随分と器用だな」


 璃兵衛に言われた安楽は、まるで手伝いをほめられた子供のように笑ってみせた。


「ええ、私は私のことしか信じていませんので。以前は手伝ってくれる者もいましたが、途中で逃げ出そうとしまして……長く生きるコツは知りすぎないことですよ」

「適当なやつを金で雇い、必要がなくなれば口封じとは、とんだ輪廻もあったものだ」

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