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第三章 2

 それにここに連れて来られたおかげでわかったこともある。

 茜の母親の遺体を空にした犯人と、その理由だ。


「おや、もう目が覚めましたか」


 そんな言葉がかけられると共に、提灯のあかりがあたりをぼんやりと照らし出した。


「やはりお前だったか。安楽……」


 格子に作られた戸を開け、そばにやってきたのは安楽だった。

 安楽は枷にとらわれた璃兵衛の姿を見ても驚く様子もない。

 この場に不似合いな穏やかさが、ひどく不気味だった。


「お前だな。茜の母親の遺体を空に……いや、空っぽの遺体をつくっていたのは」

「一体何のことだか。私にはさっぱり」

「塔婆は仏のいない墓、既に遺体を運び出した目印に立てていたものだ」


 璃兵衛に言われた安楽は困ったように笑ってみせた。


「そんな塔婆がないだけで、その墓に仏さんがいいひんなんてこと」

「墓を掘り返したが、棺桶の中は空っぽだった。それが何よりの証拠だ」


 何者かに殴られる前に璃兵衛が見た棺桶の中が空だった。

 本来そこにあるべきはずの遺体はなかった。


「墓を掘り返すなど……なんと罰当たりなことを!」


 璃兵衛の所業を聞いた安楽は怒りに震え、叫びが地下牢に響いた。


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