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第二章 16

 ひんやりとした土の冷たさが伝わってきた手をレンに引っ張り上げられるようにして、璃兵衛は立ち上がった。


「……お前は、どうしてこんなことをする?」


 瑠璃兵衛に向けられたレンの目は怒りをはらんでいた。


「さっきの話もそうだ。お前はお春の旦那と親しくもなければ、顔すらも知らない……お前のやっていることは死者への冒涜だとは思わないのか?」

「思わないな」


 それはレンにとっては思いもよらない返答だったのか。

 レンは言葉を詰まらせるが、璃兵衛はどこまでも冷静だった。


「仮にそうだとしても、俺はやめるつもりなどない。そんなもの今更だ。俺とお前が出会った時のことを忘れたのか?」

「それとこれは話がちがうだろう」

「それは魂が、お前が言うところのバーが宿っていると考えるからか? 

しかし実際のところは心臓が止まってしまえば、それで終いだ」


 古今東西にあるそれぞれの命に対する考え方を否定するつもりは璃兵衛にはない。

 しかし心臓が止まれば人は死ぬということは、まぎれもない事実だ。


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