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第二章 15

(まぁ、本当にそうならばの話だが)


 璃兵衛は積み上げられた石を避けながら墓地の中へと進んでいく。

 そんな璃兵衛の行動に驚き、異を唱えたのはレンだ。


「おい、なにをしている! 他人の墓所を踏み荒らすなど……」

 

 レンは戻るように言うが、璃兵衛はレンの言葉など聞かず、そのまま墓地の中を歩いていく。


「……くそ、とにかく戻れ!」


 レンは躊躇しながらも、璃兵衛をほうっておくとなにをしでかすかわからないからか。


 同じように墓地に入り、あとを追いかけてきたが、璃兵衛は足を止めることなく、墓の間を歩き慣れた道を散歩でもするかのように時折墓を眺めながら歩いて行く。


 石が置かれただけの墓は、さほど珍しいものではない。

 角石の墓が少ないのは身寄りがない者を供養していることもおそらく関係しているのだろう。


(だが、これは……)


 墓を見ていた璃兵衛はあることに気付いて足を止めた。


「おい、いい加減にしろ!」

「見てみろ。この墓には塔婆が刺さっていない」

「塔婆というのはこの木の立て札のことか? たしかにこの墓にはそれがないが」


 塔婆がささっていないのはその墓だけで、両隣の墓には塔婆がささっている。見たところ、他と同じように石が置かれた墓で、特別な違いはない。


(石自体も別に変わったところはないが……)


 璃兵衛はおもむろにその場にしゃがみ込むと、墓を手で掘り始めた。


「おい、墓を掘り返すなど何を考えている!?」


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