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第二章 7

「一蓮托生いうんは、こう、心や体がひとりの人間みたいにひとつていうか、ふたつがひとつっていうか……簡単に言うたら強い絆で結ばれとるってことやな。まぁ、あいつのこと頼むわ!」


 富次郎からそんな言葉と共に見送られたレンは空を見上げた。


 青く広がる空はかつて見たものと変わりはないはずだが、今こうして見ている空は広く、そして美しく思える。

 そんな空を一匹の鳥が弧を描くように飛んでいった。


「ふたつでひとつ……間違ってはいないか……」


 鳥の羽ばたきを見たレンは迷うことなく足を進めた。


 ***


 鳥に導かれるようにレンが璃兵衛を見つけたのは、とある長屋の近くだった。


「あんたぁ……しっかりしてや、あんた……!!」


 長屋の一室からは身内だろうかの名前を呼んで泣き叫ぶ声が聞こえ、長屋の住人達はその声に悲しげな表情を浮かべながらも隠し切れない好奇心を向ける。


「なぁ、聞いたか? あそこに住んどるお春さんの旦那亡くなったんやって」

「やっとこさ金も貯まって手術できるて時に、なんや知らんけど急に手術できんて言われたとか」

「手術の貯めた金盗まれて葬式もあげれんなんて……気の毒すぎて言葉も出えへんわ」


 ひそひそと話しているつもりなのだろうが、そのやりとりは近くにいた璃兵衛とレンにも聞こえていた。


「富次郎が恐れていたことが現実になったのか」

「阿片の盗難はもう隠し通せないだろう」


 人の口に戸は立てられない。

 今はごかますことができたとしても、それもどれくらい持つかだ。


「しかし意外だな」

「なにがだ?」


 璃兵衛がたずねると、レンは理解できないという顔で瑠璃兵衛を見ていた。


「お前がこんな人助けに積極的に動くことがだ」

「……まあ、俺も医者に全く縁がないわけではないからな」


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