第二章 6
「お前のどこが幽霊やねん!? ちゃんと足もあって、俺と目の前でこうやって話しとるやろが!」
足のある幽霊もいることは言わない方がいいのだろうと、レンは黙って富次郎の話を聞いていた。
「璃兵衛のことかてそうや……どいつもこいつも、まともに相手のことも見んといて勝手なこと言いおって! そもそも、あいつの目は元からあの色やろが!」
「知ってたんだな。あいつの目の色のこと……」
「ああ。ガキやった璃兵衛が何度も生死彷徨っとった頃からの腐れ縁やからな」
富次郎は子供の頃から璃兵衛に恐がりについてからかわれていたのだろう。苦々しげに言う富次郎を見て、レンはそんなことを思った。
「お前はあいつの目の色のことは、何とも思わないのか?」
「目の色くらいでガタガタ言うわけあるか。あいつが変わっとたんは元からや。それにあいつのことや。どうせ噂なんか、ちっとも気にしとらんやろ」
「むしろ箔がつくと言っていた」
「箔て……あいつらしいわ、ほんま」
富次郎は呆れたように笑った。
「悪かったな。わざわざ引き止めて。あいつとは待ち合わせしとるんか?」
「いや。だが、あいつの居場所ならわかる。そうなっているからな」
「なるほど……一蓮托生ってやつか」
「一蓮托生?」
それはレンにとって初めて耳にする言葉だ。




