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『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
不死と隣国と迷宮と

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不死とアサシンと突破と

意外と投稿できた。

 あれから幾つかの階層を駆け抜けた。

 偶にゾンビに齧られながら走るだけの簡単な作業。

 慣れてきたのか諦めたのかアヤメたちが援護を始めてくれたおかげで、かなり楽に進めるようにはなったが、どちらにしても代り映えしないのは同じ。

 立ち止まることなく突っ走る。

 そして辿り着いたのは……………しばらく前に見た例の大聖堂。

 違うところと言えば、こちらの方が大きい事と、何故か迷宮の肉に侵食されている事。


「…………なぁ、アヤメ。コレ、どうするよ」

「どうするって…………乗り込むしかないでしょ?」

「アヤメの言う通り。私をぬか喜びさせた罪は重い」

「僕もそうしようかな。あいつら気に喰わないし」


 案の定というか、やたら好戦的な女性陣。

 両開きの扉を押し開けて、内部に踏み入った。

















 扉を開けると同時に飛んできたナニカを右腕で受け止める。

 次の瞬間、額に鋭利なナイフが突き刺さった。

 結構深く刺さったが、はっきり言って意味が無い。

 漆黒の壁に掛けられた燭台の灯火の奥に見えるは、仮面を被ったイカした黒ローブの集団。

 頭数はおよそ30ってところか。格好いいなチクショウ。

 苛立ちを込めてナイフを投げ返す。

 サクッといい音を立ててナイフが命中した。

 意外にチョロイな。

 燭台の火が不自然に消え、暗闇の中を仮面が駆ける。

 黒いローブに黒い壁と黒い床。

 普通なら視認すら出来ないのだろうが、俺が不死者だったせいでハッキリ見える。

 なんか残念だ。

 俺を迂回するように動くローブ達。

 連中の挙動から考えて、恐らく狙いは後衛組。

 いい判断だが相手が悪かったな。

 俺以外の三人を纏めて触手で覆い隠す。

 繭の様になった触手が連中の得物を阻む。


「ちょっと、お兄ちゃん?!」

「レン君?射線通らないんだけど?!」


 二人の抗議を無視して戦闘継続。

 二人にもしもの事が起こらないようにしないと。

 矢のように飛んできた黒塗りの短刀を、刀で弾く。

 微かな風切り音。

 真上から繰り出された踵落しを、横から殴り飛ばして迎撃。

 派手にとんだ黒ローブが壁に激突し、そのまま動かなくなる。

 仲間の惨状にも怯まず襲い掛かって来るローブの男の腹に回し蹴りを放つ。

 確かな手応え。

 何処からか撃たれた刃が、俺の延髄に突き刺さるがお構いなし。

 手早く引き抜いてこそこそしていた奴に投擲。

 糸が切れた操り人形の様に、もんどりうって倒れるローブ。

 殺意マシマシで顔面に撃たれた杭の様な刀身を嚙み砕く。痺れるような妙な味がする。

 毒物の類だろうか。

 後方からギンカが放ったと思わしき衝撃波が床を穿つが、肝心の黒ローブには躱される。

 ギンカを狙って放たれたナイフを、自分の身を盾にして防ぐ。

 思ったより脆いが、数が多くて面倒だ。

…………………一気に潰すか。

 右手に意識を集中し、一気に膨張させ────────大聖堂の内部を肉腫が埋め尽くした。



















 壊れた人形の様な体勢で倒れる黒ローブ達。

 死因は圧死。下手人は俺。

 仮面を剝いでみたが、どうやら人間のようだ。

 触手の繭の中から這い出てきたアヤメが、さっそく色々と漁り始めている。

 誰かの声が聞こえた気がして後ろを見ると、繭から突き出されてジタバタと藻掻く腕。

 …………やべぇ、オネットさんの事忘れてた。

 急いで繭を解く。

 床に突っ伏して恨めしそうな顔でこちらを見上げるオネットさん。


「……………レン君?次から気を付けてね?」

「あっ、はい」


 ヒトを殺せそうな視線で睨まれた。

 差し出された手を取って、立ち上がるのを手伝う。


「お兄ちゃん!ちょっとこっち来て!!」


 アヤメに呼ばれて奥に向かう。

 机に並べられた無数の書類。

 その中の一つに記された不気味な魔法陣。


「これは何だ?」

「よく分からない。だいぶ古い言葉で書かれてるから……………待って、『月』と『獣』。いや、『住む』?『棲む』かも。後は『呼ぶ』と…………………ああっ、もう!めんどくさい!!」


 頭を掻き毟るアヤメ。

 そっとしておいた方が良さそうだ。

 というかローブ連中の目的が謎すぎる。 

 壁に据えられた棚の中には大量のポーションと用途不明の器具。

 壁に掲げられた謎のタペストリー。

 カルト臭がプンプンする。

 些かうんざりしながらも、探索を実行。

 引き出しの中から投げナイフを発見。

 取り敢えず貰っておこう。

 他に目ぼしい物も無く、聖堂から撤退した。

















 行く手を阻むかのように立ち塞がるゾンビを蹴散らして進む。

 あからさまにデカブツの数が増えていて、通り抜けるのに余計に時間がかかるせいで、どことなく遅延戦略のようにも思える。

 更には覆面黒タイツまで生えてくる始末。

 何か、もう、悪意の様なものを感じる。

 そんなことを考えながらゾンビを抹殺。

 肥大化による巨体を利用して、ゾンビを撥ね飛ばしながら前進する。

 突貫の勢いを乗せた右腕の一撃でデカブツを粉砕し、ついでに融合ゾンビを美味しく頂く。

 マズい。

 上へと登る道を駆け上がって、落下地点のゾンビにボディプレスをお見舞いする。

 何となく、この体での戦い方が分かってきた。

 甲殻蛇を追加して、一般ゾンビを纏めて薙ぎ払う。

 床や壁から蠢くように生えてくる異常な物量のゾンビ達。

 圧し潰し、癒着し合いながら群れを成して殺到してくるゾンビ。

 腐肉と汚血を撒き散らしながら、ドームの様に広がった壁のようなソレ。

 囲んでから喰い殺す気か?……………………上等だ、軽く突破してやる。

 軋みながら胴体が膨張し、四肢が更に発達する。

 全身が疼き、針毛で覆われた。

 鋭く伸びた鉤爪を振り翳し、襲い掛かる。

 無詠唱で喰剣を発動。

 白光を帯びた剛腕でゾンビですらなくなったナニカを存分に斬り刻む。

 甲殻蛇を束ねてグロテスクな壁に撃ち込み、半ばから崩壊させる。

 飛び散る汚濁が異形の姿を取り、群がってきた。

 背中の上に乗せていた3人の悲鳴が聞こえる。

 表皮を裏返してつつみこむようにして守る。

 時間をかけても3人が被弾しやすくなるだけ。

 さっさと終わらせるべきか。

 頭部に意識を集中させる。

 みちり、と音がして口が裂け、白い極光を纏った牙が腐りきった壁を穿ち喰い破った。





やっぱつれぇわ










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