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『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
不死と隣国と迷宮と

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呪いと本と同族と

これから基本的に2日に一回の投稿になる可能性が微レ存。

 ロクに日も差し込まない、魔王城内の書庫にて。

 目の前に広げられた萎えるほど分厚い本の頁から、俺にとって有益そうなものを選択して、書き写していく。

 本の題名は〔呪いとその効用について〕。

 小難しい上から目線で色々書いてあるが…………………


「ハゲに水虫に腹痛にフケにニキビ…………………酷いラインナップだな」



 どう考えても戦闘に向かないどころか、殺傷能力すらないものばかり。

 使えるかどうかではなく使う気すら起こらない。


「おじさん、何してるの?」

「あ?」


 声を掛けられて足元を見れば、見知らぬ金髪の幼女。

 なぜか現代日本の幼稚園児のような服を着た謎の人物。

 外見から判断して恐らくは5,6歳児だろうが…………………それにしては、体格に似合わぬ大量の本を抱えている。

 それ以前に。


「俺はまだオジサン呼ばわりされる歳じゃないぞ?」


 今をときめききれない元男子高校生現吸血鬼だ。


「ふ~ん?何見てるの?」


 椅子によじ登り、開いた本を覗き込む幼女。

 こいつに理解できるとも思えないが………………


「……………こんなの読んでも意味ないよね?もっとマシなの読んだら?」

「そういうお前は理解できるのか?」

「誰でも簡単にわかるよ?しようとしないだけで」


 そんなことを言う幼女が机の上に置いた本の表紙を眺める。

 〔魔国万法書〕、〔過去に於ける裁判の事例とその判決〕、〔地形と戦陣の関連と兵法の基礎〕

 ……………………うっそだろおい。


「本当に理解できたのか?」

「まだ出来ていないから読んでるの。馬鹿なの?」


 心に刺さる言の刃。

 メンタルブレイクしそうだ。


「呪いの勉強してるなら、こっちから読んだ方がいいよ?ついてきて」


 幼女に手を引かれ、奥に連れられる。

 本棚の隅で埃を被った一冊の古書。

 タイトルは………〔呪詛の深淵〕

 何ともまぁ物騒な。

 というか……………


「初心者向けじゃないだろコレ。もっと分かり易いのは無いのか?」

「大した事も書いてないのを読むより建設的でしょ?」


 それもそう……………なのか?

 わからん。

 取り敢えず椅子に座って本を開く。

 いきなり並ぶ専門用語。

 頭が痛くなりそうだが頑張るしかない。

 それに一つ。


「お前、名前は?」

「え?」


 キョトンと首を傾げる幼女。


「名前ぐらい聞いておくべきだろうよ」

「あ~………うん。アリス。アリス・ブルウォーク。ってもうこんな時間なの?!急がなきゃ!またね!」


 時計を見るなり、「ママに怒られる~!」などと叫びながら走り去っていく幼女。

 嵐みたいなやつだな。

 溜め息をついて勉強を再開した。























 自室のベッドに寝転び、疲れ果てた脳味噌で考える。

 今日1日で、複数の呪いを覚えた。

 途中から法則というか単語の羅列の様なものに気付いてからは早かった。

 壊死毒に失血毒に麻痺毒に睡眠毒などを武具に付与するものや、他者の生命力を強奪するもの。

 更には厨二心をくすぐってくれる、各種魔眼など。

 問題は使えるかどうか。

 まぁ、どうにかなるだろう。


「結局どうだった?お兄ちゃん」

「ああ、意外に上手く行きそうだ」


 俺の顔を覗きこむアヤメにこたえ、体を起こす。

 アヤメの目を見つめ、意識を高めて………………………


「な、何?お兄ちゃ」

「【金縛り】」


 魔眼に分類される物の内、初歩の初歩とされる技。

 相手の動きを一定時間ではあるが強制的に封じる呪いが放たれ───────────────俺の目が爆ぜた。

 ム〇カ大佐の如く目を潰される俺。

 クソいてぇ。


「…………………何がしたかったの?」

「知るかよ」


 実際、どうなったのかすらよくわからない。


「多分だけど……………………私がレジストしちゃったのが悪いのかな?」

「おい」


 どちらにしろ使えないんじゃ意味がない。

 どうしたものか…………………


「そうだ、お兄ちゃん。魔王様が呼んでたよ?」

「早く言ってくれよ」


 急いで外に出た。


























「遅かったじゃないか、レン君」

「こっちもこっちで色々やってたんですよ」


 玉座に腰掛ける魔王様に頭を下げて、こちらも座る。


「君たちの次の仕事内容と日程が決まったから連絡しておこうと思ってね」


 笑顔のまま言う魔王様。


「内容は?」

「ドワーフの国に出来たダンジョンの攻略。国境付近に出現した迷宮に挑んだ末、先代のドワーフ王とその側近が全滅。故に、皆に対処をして貰いたい」

「んな無茶な」

「仕方ないよ、流石に同盟国が危機的な状況で無視するわけにもいかないし」


 やれやれと言わんばかりに首を振る魔王様。

 無性に腹が立つ。


「それに君にとっても縁がある話ではあるしね」

「どういうことですか?」


 俺に縁があるとなると、それこそ転生者か転移者か………………………


「ダンジョンには通常、迷宮の主(ダンジョンマスター)と呼ばれる迷宮の作成者がいるんだけどね?今回の事件の元凶がどうも吸血鬼らしくて………………」

「マジですか」


 同族と殺し合うことになるのか……………嫌だな。


「蛇の道は蛇、目には目を歯には歯を。汚いものには汚いものを。頑張ってね」


 本当に酷いな。

 溜め息をこぼし、諦めて部屋を出た。

 …………………出来るなら話し合いに持ち込みたいが、難しいだろうな。

 きっと、殺し合いになる。

 憂鬱ではあるが仕事には変わりない。

 腹だけ括って自室に戻った。



1日一回投稿の反動ガガガガ












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