表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
郷里と郷里と異変と

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/173

猿と危険と覚悟と

己のカオスはさらに加速する!!(ホロロホ〇ルは許さん)

 鬱葱と生い茂った森の中を駆ける。

 後ろから聞こえる獣の息遣い。

 こちらに伸びる、剛毛に覆われた幾つもの腕を搔い潜り、地を這うようにして走り抜ける。

 強化した右腕で地面を掴み急制動をかけて振り返った。

 木の上を軽妙に飛び回り、やたらと統制の取れた動きで襲い掛かってくる大量の──────猿。

 『マッドエイプ』と呼ばれる魔物の群れ。

 その討伐が今回の俺の任務。

 ほかの連中は今頃暢気にお茶を楽しんでいる。

 一応、俺は体調のはずなのだが………………思考の虚無を振り払い、虚空から太刀を取り出すと同時に変形させ、安定と信頼の星鎖棘鉄球(モーニングスター)に。

 鎖を握り締め頭上で振り回し、回転の勢いを乗せたソレを………………………


「おッ、ルアァアアァァッッ!!!」


 投げつける。

 進路上の木々を粉砕して直進した質量をもった殺意が3,4匹の猿を纏めてミンチにする。

 環境保護なんざクソ喰らえ。

 我こそが破壊者(デストロイヤー)だ。

 こちらを警戒するように弧を描き距離をとるお猿たち。

 逃げるんじゃぁない。

 鉄球を手繰り寄せ構えて投ずる。

 猿の頭部を砕いたソレを無理矢理ぶん回して辺りを薙ぎ払う。

 鉄球に挽かれて、鎖に打ち据えられて、棘に引き裂かれて、木の幹に圧し潰されて息絶える猿の群れ。

 その奥から迫りくるおかわり。

 どこからか響く野太い咆哮。

 太刀に切り替え正眼に構えて。


「【牡丹】!」


 恐れず前に出て一体をすれ違いざまに斬り伏せる。

 一瞬の後、爆ぜ散る死体。

 ビビる猿。

 怯んだ奴の頭を握り潰し放り捨てる。

 後ろから飛び掛かってきた猿を蹴り飛ばし、拳を固めて、振り向きざまに腹パンをかます。

 吹き飛ぶ猿を放置して奥に向かう。

 取り敢えず突っ込んで暴れたら、大抵の物事は解決する。

 腰にしがみついてきた猿を剝ぎ取り、叩き伏せ突貫。

 藪の向こうから文字通り飛んできた猿を撫で斬りにして前に出る。

 正面から振るわれた剛腕を潜り抜ける。

 顔を上げた所に顔面を抉り潰すように叩きつけられた皴だらけの掌を間一髪で躱す。

 目の前には、実にビビッドなカラーリングのピンクゴリラ。

 目がチカチカする。

 デカいな、おい。


「【螺鈿蓮彫り】」


 周囲の猿を巻き込んでファンシーゴリラを斬る。

 爆ぜる猿。

 吠えるゴリラ。

 雑魚を蹴散らしゴリラの胸板に太刀を突き刺す。

 暴れまわるゴリラを尻目に刀の柄を踏み台にして跳躍し足を開いて首を挟み込む。

 そのまま体を捻って首をへし折り抹殺した。
















「おい、今帰っ」

「レンさん、アレ何とかしてくれませんか!?」


 帰り着くなり俺に泣きついてきたリリアナ。

 意味がわからない。


「どういうことだ?」

「いいから、早く来てください!」


 リリアナに引きずられて奥に向かう。

 青褪めた顔のギンカと、机に腰かけ議論を交わす二人の影。  

 うちの愚妹と見慣れない金髪長耳の少女の後ろ姿。

 顔が見えないが身長から判断して同年齢だろう。

 ともかく。


「おい、あんた、名」

「あれ?もしかして君が例の半端者の吸血鬼君かな?君の事はアヤメちゃんから聞いたよ。ずいぶんと奇妙奇天烈な人生、否さ吸血生を送っているようだね。もしよければこの後で詳しい話を聞かせてくれないかな?ああ、それとこれ、お土産持ってきたよ」

「あっ、どうも」


 こちらを振り返り一気に捲くし立てる少女。

 腰辺りの長さに揃えられた金髪の間で輝く碧眼と、どこか挑発的な表情。

 そして手渡された謎の小包。


「そうだ、自己紹介もまだだったね。僕は〔禁域の世界樹〕に生まれた純血の妖精(ハイエルフ)、『魔導の古老』の血脈にして、その異端たる『発条と歯車』のリーダー。オネット・トルニエンだ。こんなのでも一応、大公爵家のご令嬢だから仲良くしているといい事があるかもね」


 どう見ても地雷です。

 本当にありがとうございました。





















「魔王様、何ですか、アレ」

「君の部隊の隊員だね。………………………まぁ、かなりのじゃじゃ馬というか、見えてる地雷というか、制御の効かない暴走魔法陣というか………………でも強いよ?」

「論点はそこじゃないでしょう」


 というか、そもそもの話………………


「なんで自称大公爵家のご令嬢が軍隊にいるんですか」

「家から逃げ出したみたいでねぇ………向こうさんも放置してるしそれならいっそと………………」


 それって、もしかしなくても問題行動が祟って見捨てられたのでは?


「兎に角戦力としては期待していいと思うよ。……………扱いは難しいけど」


 絶望が色濃く残る完璧なフォローありがとうございます。

 ところで。


「アヤメとあいつが何やら話し合っていたんですが大丈夫ですよね」


 片手で目を覆い、天を見上げる魔王様。


「………………………覚悟しておいた方がよさそうだね」

「そうですか」


 諦観の中、覚悟を決めた。



























「お兄ちゃん、私この人と分かり合える気がする」

「奇遇だね!僕もそう思っていたところだよ!!」


 覚悟が足らんかった。

 混ぜるな危険×混ぜるな危険。

 絶望の宣告。

 死兆星のバーゲンセール。

 ジョジ〇第五部の処刑用BGMが聞こえてきそうだ。

 クソッタレが。


「レンさん、お暇を頂いても宜しいですか?」


 そんなことを言うリリアナ。


「逃がすわけなかろう」


 旅は道連れ世は情け。

 道連れは多ければ多い方がいいに決まっている。


「………………レン、これってどうしたらいい?」

「自分で考えろ」


 困りきったように尋ねてきたギンカに最適解を返す。

 何故か殴られるが理由がわからん。


「ところでレン君。ちょっと頼みたいことがあるんだけどいいかな?」

「すみませんが君付で呼ぶのやめてもらっていいですか?」

「どうせ君1000年も生きてないでしょ?まだまだお子様だし」

「あんた何歳だ」

「乙女相手に年齢の話するのはNGだよねぇ?」


 弾け飛ぶ俺の頭部。

 何が起こったか理解できない。

 というか何も見えなかった。


「いいから、ね?少し手伝いというか頼み事というか」

「何ですか一体」


 手を合わせて頼んでくるオネットさん。

 無性にぶん殴りたい。


「………………手合わせしてくれないかな?」

「はぁ?」







もしかしたら今日中にもう一本あげられるかも。???「ないです」














気に入って頂けたのなら、高評価、ブクマ登録など宜しくお願いします。モチベーションに直結するので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ