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『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
不死と戦友と死と

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幕間:妹

人によっては当然気に喰わんやろしガバもあるやろうけど「こんなんもう見たるか!!」っていうのだけはやめてくれたらうれしいなぁ………………………

「さて、と………………お兄ちゃんはどうせしぶとく生き足掻くだろうし、ギンカちゃんはたぶん負けないから…………しばらく遊んでても問題ない、かも?」


 独り言を零して前に進む。

 目の前には私の同業者。

 同じ魔法使いと戦うのも久しぶりになるから、少しぐらいは楽しめるかな?


「≪全能たる御名に於いて命ずる≫≪その雷をもって≫≪わが敵を討て≫──────【雷槍(ライトニングランス)】!!」


 いきなり雷撃を放ってくる魔導士。

 分類は雷系統、威力的には中の下。

 消耗が小さい割には威力もあって出が速い、いい技ではあるんだろうね、うん。

 ………相手が私じゃなければ。


「≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪古き微風≫≪色付きて風穴≫≪併せ造りし≫≪風獄の壁≫≪その威をもって≫≪我が身の守りと為せ≫────────【焦熱の爆塞】」


 雷撃を、遥かに上回る火力の炎と竜巻で掻き消す。

 ぶっつけ本番にしてはうまくいった気がする。

 工夫したらもっと効率よく撃てると思うけど………………そこを突き詰めるのはまた後で。

 取り敢えず集中して遊ばなきゃ。

 杖を構えて精神統一。


「≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪古き微風≫≪色付きて風穴≫≪創世の土塊≫≪併せ造りし≫≪閃撃の熔鋼≫──────【緋槍連弾:爆轟】!」


 適当にばら撒いた炎の槍が、広範囲を吹き飛ばす。

 爆炎の中から現れる、岩石で造られたドーム。

 本気の一撃じゃないとはいえ、私の魔術に耐えるか。

 それなり程度の強度はありそう。

 あれをパクったら煤塗れにならずに済むのかな?

 今度試してみようか………………


「≪全能たる御名に於いて命ずる≫≪その氷柱をもって≫≪我が仇に裁きを≫──────【氷嵐の鉄鎚(アイシクルブレイカー)】!!」


 上から叩き付けられた氷の塊を、詠唱すっ飛ばして撃った炎弾で迎撃。

 何故か向こうが焦ってるけど、気にする必要もする気もないから別にいいや。


「4属性の相性は無視か………………チッ!≪全能たる御名に於いて命ずる≫≪その………」

「≪奇跡は焼け落ちる≫──────【魔法破壊】!」


 何か知らないけど撃とうとしたから妨害しとく。


「≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪古き微風≫≪色付きて風穴≫≪併せ造りし≫≪穿ち抜く一撃≫──────【緋槍:連撃】!!」


 取り敢えずブッパ。

 やっぱりこれが一番安定する気がするんだよね。

 ……………………あと、純粋に楽しいし。


「≪全能たる御名に於いて命ずる≫≪此処は禁域≫≪神敵を許さず≫──────【反魔法領(アンチマジックエリ)

「【魔法破壊】」


 何かしようとしてたので詠唱キャンセルしてお邪魔しておく。

 まぁ、どうせろくでもないことだろうし別にいいよね?


「………な、馬鹿な!なんで、なんでこんな………………………」


 唐突に蹲って頭を抱える魔法使いさん。

 どうせなら失意体前屈して欲しいんだけどな。


「こんな、反魔法を魔法破壊で無効化できるはずが……………」

「そう言われても…………私が出来ているから出来るんでしょ?現実を見つめなよ?それにほら!頑張らないと死んじゃうよ?」


 無数の炎弾に焔の槍を浮かばせる。

 バケモノを見た様な表情の魔導士さん。

 心外だけど、格の差を理解してくれたのかな?


「ほらほらほらほら!!頑張って頑張って!!!」

「ヒイイィィィ!?」


 転がるように駆けだす魔法使いの後ろを、わざと掠めるように着弾させていく。

 これ、結構楽しいかも。


「アッハハハハハ!」


 自然と口角が吊り上がり、笑みがこぼれる。

 杖を構えて振り下ろし、辺り一帯を爆破。

 泣き喚きながら逃げる魔法使い。

 衝動のままに腰だめに携えた錫杖から、火炎竜巻を放つ。

 障壁を張って防ごうとしてるけど、あの程度の魔術なら消し飛ばせるので問題なし。

 甚振るように、嬲るように、弄ぶように、じわじわと()()を追い詰める時特有の、妙な興奮と高揚感。

 尻もちをついてへたり込んだ相手の眼前に、シャン、と涼やかに鳴る錫杖の先端を突き付ける。「ヒッ!」とうわずった悲鳴を上げる相手。

 無惨めに、股座に黄色い染みを作りながら命乞いをするように青褪めた顔でこちらを見上げる獲物の姿。

 嗚呼ッ………………


「…………本当にいい気分………………ッ!」


 さて、どうやって痛めつけようか………………………


「っ………なんで、なんでこんなバケモノが………勇者様の従者に選ばれて、異教徒とケダモノを浄化するだけの楽な仕事だって…………………………」


 あらら、壊れちゃったかな?

 まぁ別にいいんだけどさ。

 ……………それにこの程度の戦闘力で勇者の従者ってのはさすがに弱すぎると思うんだよね。

 ………それ以前に。


「そもそも、君に才能がないのが悪いんじゃないかな?」

「っ…………そんなふざけた言葉で済んでたま」

「実際、君が私より弱いからこうなってるんじゃないの?それに、凡人と天才が同じだけ頑張ったら天才が勝つのは当たり前でしょう?」


 当然のことだと思うんだけど……………この人にとっては違ったのかな?

 というかもっと遊べると思ったのに、もう反応が鈍くなってきた。

 碌に動かない玩具を弄っても面白くないしなぁ………………それに。


「ねぇ、何逃げようとしてるの?【鋼棘:縫針】」

「アグッ!?、ゥ、ァアァアァァアァアァァッ!?!?」


 お祈り一つ捧げて魔法を発動、地面から飛び出した圧縮された土の槍で両手両足を突き刺し逃亡阻止し、そこからさらに棘を操って十字架状にして磔に。

 土系統はあまり慣れてないから、ちょっとだけ加減を失敗して右足が捥げちゃったけど問題なし。


「うん、もうそろそろ終わらせよっか」

「やめ」

「【処鋲】」


 棘をおかわりしてチクチクして抹殺した。


「さて、この後どうしよっかな………………」


 ギンカちゃんの応援に行きたいけど邪魔しちゃいそうだし………………お兄ちゃんなら別に誤爆しちゃってもいいよね?

 どうせ復活するし。


「それじゃあ行きますか」


 お兄ちゃんがいるあたりに向けて歩き出した。




ずっとパンコロ見てる。














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