火器と勇者と乱入と
伸びないPV増えないユニーク。それでいい。それでいいんだ。ただ自己満足の為に書くのだから。(意訳:いつもの倍くらいあります。戦闘シーンを途中で切り上げるツワモノが羨ましい。あとミリヲタと兵器大好きニキに謝っておきます。本当にすみませんでした)
「やってまいりました対王国戦線北方面!現在進行形で駐屯地が爆撃されていますが、気にせず元気にやっていきましょう!!」
「なに言ってんだよアヤメ」
「ふざけないとやっていけないでしょ?」
「さすがに不謹慎が過ぎる」
「というか、何がどうなってこうなってんだ?」
眼の前に広がる平野を高台から見下ろす俺達………なのだが………………………
「なぁにこれ~」
「アヤメ。さっきからふざけすぎだ」
爆破され吹き飛ぶキャンプ場。
幾条にも刻まれた閃光と、高速で宙を飛ぶ飛翔弾頭体のようなもの。
そして肉が焦げる臭い。
「なんでミサイルがあるの?」
「この世界に兵器を持ちこむなよ……………」
「あれが何か知っているのか?」
訝しげな顔をするアヴィンさん。
まあ、ミサイルとかいう近代文明の申し子みたいなやつがこの世界にいる筈もなく。
恐らく犯人は………………
「勇者だな」
「だね」
「間違いない」
奥の方を見れば、異形の軍勢を、無数の火器を操り蹂躙する人影。
あいつっぽいな。
「見つけた」
「えっどこ?」
「ほら、あそこのキノコ雲のそばにいるだろ?」
勇者らしき人物を見つけたあたりを指さして教えてみるが………………………
「………ゴメン、見えない」
「マジか」
どうやら皆にはよく見えていないようだ。
どうしたものか………………
「………本当にあのあたりにいるの?」
こちらを見上げて、そんなことを言うギンカ。
「ああ、確かにあのあたりにいる筈だが………………」
「じゃあ、こうすればいいと思う」
膨れ上がる嫌な予感。
「【掴め】」
不可視の手に全身を掴まれる。
嫌な予感が全力でこっちに走ってくる。
巨大な腕に、思いっ切り振りかぶられて。
「それじゃあ逝くよ?」
「おい待て何か不穏な響きが聞こえ」
「【ぶん投げろ】!!」
「あああああ!?お前絶対許さん!!!」
負け惜しみを残しながら、弾道軌道を描き滑空する俺。
風圧で服と手足の2、3本が吹き飛ぶが問題はなし。
「ん?………………な、なんだお前?!!」
こっちを見てパニックになる勇者──────天パヒョロ眼鏡君。
まぁ、いきなり空から半裸の死体が降ってきたら誰だってビビるわな。
取り敢えず一撃かまして様子を──────
「とにかく喰らえ、【M61バルカン】!!!」
空中に現れる異質な物体。
6本の金属筒が円状に束ねられたそれは、某ゾンビがハザードするゲームでよく見た機関砲そっくりというか実物で。
「うっぎゃあああぁぁ!?」
ジャンプ体勢でめったうちにされる俺。
全身を抉り掻き混ぜながら貫通した鉛玉。
だがあまり痛くない。
どうやらバ〇オのゾンビの耐久性能は俺より弱かったようだ。
もしかしたら俺がタイ〇ラント寄りの可能性もあるが………不死者に銃弾は効果が薄いのかもしれない。
「敵だ!早く殺せ!!」
叫ぶ勇者君に群がってくる兵隊さんたち。
包囲される俺。
仕方ないか………………
「お前達!コイツを叩き殺ッ!?」
「うるせぇ!」
号令を出そうとしていた隊長っぽい人の頭を、間合いを詰めて握り潰す。
唖然とする一般兵に向けて虚空から大太刀を取り出し薙ぎ切る。
確かな手応え。
一拍遅れてずれ落ちる上半身。
そしていつの間にか遠くに逃げていた勇者君。
漢なら逃げるなよ。
そして接近してくる悲鳴混じりの怒号。
嫌な予感がする。
「知ってたお兄ちゃん!?魔法少女は空を飛ぶものなんだよ!!!」
上を見上げれば、腰だめに構えた錫杖から爆炎を吹き上げて空を飛んでくるアヤメの姿。
そしてその後ろで死屍累々の惨状を曝す兵士諸君。
お前がやったのか。
さらに巻き込まれる俺。
クソ熱いが一瞬で再生される。
「ああっもう、何なんだよお前ら!!」
キレる勇者君。
分かるぞ、その気持ち。
あいつ最近いろいろおかしいからなぁ………………
「【63式107mmロケット砲】!!」
「いってぇェェエエェェ!?」
吹き飛ばされる俺。
くそ痛いが治るので無問題。
スマン、タイラ〇トさん。
どうやら俺はアンタを越えていたようだ。
「【T34カリオペ】」
轟音と硝煙。
上半身が無くなる俺。
悪いタ〇ラントさん。
俺はまだ、あんたを越えてなかったみたいだ。
背後でちらつく死の影。
「アハハハハハハハ!!!≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪創世の土塊≫≪移ろいて黒曜≫≪併せ造りし≫≪炸焔の牙≫──────【炎弾:連鉄】!!」
「【MK19.МОD1】!!」」
虚空に展開された特異な形状の銃身と錫杖が、同時に火を噴いた。
空中で弾丸と炎がぶつかり突き刺さり誘爆する。
空に広がる無数の爆炎。
奇麗な花火だ。
現実逃避終了。
取り敢えずやるべき事は………………
「『隠したまえ隠したまえ』『汝が似姿の御業の如く』『我は只静かなる潜航を望む』──────【潜行】」
あたりの気温が下がるような感覚とともに、周囲の音が聞こえなくなる。
白鯨式LV3、潜行。
自身の気配や姿を世界から断絶する技。
モノクロの視界の中を歩き勇者君の後ろに立つ。
無防備なその背中に刃を振るい─────────
「【М48】」
勇者を包むように現れた金属製の装甲。
構わず切りかかり「自爆しろ」爆発した。
吹っ飛ぶ俺。
どや顔の勇者君。
こいつ殺すわ。
どっちにしろ抹殺指令出てるけど。
というか、なんでこのヒョロ眼鏡死んでないんだ?
自爆ダメージが仕事していない。
俺なんか多段爆発に巻き込まれて全身ボロボロなんだが。
そもそも俺ステルスしてたよな?
まさか気付いたのか。
それともただの偶然か。
「爆炎に紛れて接近する気だったのか?ざーんねんでしたぁぁ~~!!」
満面の笑みで呷ってくる勇者君。
偶然だった。
そもそもステルスしてることすら気付いてなかった。
こいつマジでぶん殴る。
「前衛任せたよお兄ちゃん!!」
ふざけるな。
「【ブローニングМ2】」
「【炎弾:連撃】」
前門の銃口後門の魔法。
真ん中には全裸の吸血鬼。
これが地獄絵図か。
両サイドから迫りくる弾幕を切り落とし弾いていく。
一発喰らったらハチノスにされるなコレ。
「なんで刀で銃弾を防げるんだよ!?」
「ジャパニーズサムライスタイルだよ」
軽口を叩いて急接近。
「くそったれがぁああッ!!!」
見てから躱すのは流石に厳しいが、銃口の向きにしか飛んでこない鉛玉なら、余裕で避けれる。
「【入れ替える】からの【ぶっ潰せ】!」
突然降ってきたギンカ。
そして潰される俺。
逃げる勇者君。
「くっ、【FIM─92】!!」
こっちに放たれたロケラン(たぶん)をギリギリで避ける。
「来いよ勇者。銃なんざ捨ててかかってこい!」
剣は銃より強し。
反論は認めねぇ。
「ふざけやがって!【М117】」
俺の上に影が降りた。
見上げれば、アメリカンドッグに似た異様な金属塊。
重力に導かれて自然落下したそれが、地面に接触。
火柱を上げて大爆発を起こした。
灼熱と暴風。
当たり前のように消し炭になる俺。
というか俺以外の二人がヤバい。
アヤメは………………何となく生き残ってそうだがギンカの方がマズい。
あいつ耐久力低いから、うっかり死んでそうで怖。
「ありがとうアヴィン。助かった」
「ギリッギリ間に合った【城砦防御】!!」
無傷のギンカに顔色の悪いアヴィンさん。
煤けて目をまわしたアヤメ。
「フォローありがとうございます!アヴィンさん!!」
「アヤメは無事か?!」
「えっ?」
「えっ?」
嚙み合わない会話。
どういう事だ?
「俺はアヤメを庇っていないぞ?」
「つまり防御せずにあの爆撃に耐えたと」
化け物かよあいつ。
「よそ見をッするなァアァ!!【XM134】!」
煙の中からこちらに放たれる銃弾。
穴だらけになる俺と全部防御するアヴィンさん。
というか自爆しておいて無傷なのが本当に納得できない。
そもそもこの世界に火器はナンセンスだろ。
「お前ら全員死んでろよ!!【MOAB】!!!」
突如出現した巨大な鉛筆のような金属柱が地面に突き刺さり「起爆」。
炸裂した。
巻き起こる爆風に衝撃波。
純粋な暴力の形。
圧倒的な熱量が渦巻く障壁の向こう側。
「───────【城砦防御】!!」
「あれを防げるんですか」
十重二十重に重ねられた無数の盾。
圧倒的防御力。
羨ましいな。
半分くらいもらえないだろうか?
「レン、アレはおまえの世界の兵器でいいんだよな?」
そんなことを聞いてくるアヴィンさん。
「それはそうですが、どっちにしても勝てますよね?」
実際、直撃を受けなければ死にはしない。
俺とアヴィンさんで前衛をして、ギンカとアヤメの中遠距離コンビでフルボッコにすれば………
「撤退するぞ」
背を向けて逃げだすアヴィンさん。
それに追従するギンカ。
アヤメを担ぎ、二人を慌てて追いかける。
「何で逃げるんですかアヴィンさん。敵前逃亡は死刑では?」
「そんな軍規はないし、死にたいなら残れ」
なんだろう、死が急速に迫って来ている気がする。
「もう直に来るぞ───伝承の怪物が」
硝子にひびの入るような音がして、空が砕けた。
不可思議に煌めく無数の破片が中に融けるように消えて、その裏側が露わになる。
天窮一面に広がる、赫や碧や翠に輝く形容し難い空間。
そしてそこから這い出てくる異質なナニカ。
幾百幾千の万天を総身に散りばめた様な、不気味で奇怪で異様でそして何処か壮厳な────巨大な海月。
まるで海の中を征くが如く悠々と静かに触手をたなびかせて進む真正の魔物。
「やれるか、ギンカ!!」
「やってみる。【入れ替える】!!!」
吐き気と共に周りの風景が歪みすり替えられる。
後ろを見れば草地に倒れ込んだギンカ。
「………………疲れた。休息を要求する」
遠くの空に浮かぶ海月。
「あれは結局何なんですか」
「【兵器嫌い】だ。一定水準以上の兵器を破壊するためだけにいる怪物。神が生み出したとか古代文明の大賢者が作ったとも言われているが真相は歴史の闇の中。1つだけ確かなことがあるなら、絶対に勝てないから逃げるしかないことだな。取り敢えず見てい」
アヴィンさんの台詞を遮って、大気が震えた。
空間が揺れ、キノコ雲が乱立する終末戦争のような光景。
そして何事も無かったかのように現れる海月。
かっこいいなちくしょう。
無数の触手の先端が割れるように開き光が収束し─────────────放たれた。
世界が砕けたのではないかと思う程の激震。
数拍遅れて到達する衝撃波。
土埃を吹き飛ばして放たれる、追い打ちの風圧。
転がるギンカ。
仰け反るアヴィンさん。
宙に舞う俺。
気化し白熱したクレーターと焼け野原と化した戦場跡を残し、空間の亀裂に消えていく海月。
可哀想な勇者君。
何事かと迎えに来た友軍の竜車に乗り帰還した。
3000字ぐらいで全ロスして希望の花が咲いた。
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