再生と弾幕とお茶と
短く遅くなってしまった。
「皆さん、ご無事で、す……………いやぁぁああぁぁ?!し、死んで………っ」
出迎えに出て首だけの俺を見て悲鳴を上げるリリアナ。
大丈夫、生きてるから。
「安心しろ、無事だから」
さっきから遅々として再生が進まないが…………多分問題ないだろ。
「というかなんで首だけで喋れるの?」
「知らんな」
このボディに関しては、俺もよくわかんないんだよな。
不死になった体に、解剖生理学が意味を成すとは思えない。
そして床に転がされる俺。
扱い酷くないですか。
「取り敢えず腹減ったから飯くれ」
ジト目のリリアナ。
何故だ。
「………………その状態でどうやってご飯食べるんですか」
……………
「すまないが食べさせてく」
俺の言葉を遮るように、輸血パックの中身を振りかけるアヤメ。
「お前なにをして」
文句を言おうとした瞬間に、ものすごい勢いで生えてくる胴体。
解せぬ。
「なんだ問題ないじゃん」
「問題しかないだろ。現在進行形で全裸の奴にそれを言うのか?」
頬を赤くするリリアナに、顔をしかめるギンカ。
いたたまれないので2階に上がって服を着てくる。
下に降りると全員で和気藹々とお茶してた。
こいつら……………
「お兄ちゃんも混ざりなよ~」
アヤメに誘われたのでティーカップに輸血パックから血を注ぎ席に着く。
「……………ないわ~」
「ええ、流石にそれは…………」
んだよ、吸血鬼が血を飲んで何が悪いんだよ。
「そういう問題じゃないと思うんだけどねぇ~」
意味が分からない。
「というかお兄ちゃん、いよいよ人間離れしてきたよね」
……………やめろ、自覚症状あるから余計にきついんだよ。
「おいお前等、訓練始めるぞ」
そしてやってくるアヴィンさん。
地獄の訓練が幕を開けた。
「アハハハハハハハハハ!死ね!!死んじゃえ!!!」
「兄にそれを言うのか!?」
狂気を帯びた形相で炎弾をばら撒くアヤメ。
異常な密度の弾幕を太刀で切り捨て突き進む。
「≪恵む清水≫≪荒れ狂いて大海≫≪極海の氷牙≫≪その一端を≫≪我が武具に授けたまえ≫─────【付術:氷爪】」
俺の詠唱によって薄く氷靄を纏う刀身。
それをもって炎を弾き飛ばし、打ち消していく。
「≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪創世の土塊≫≪移ろいて黒曜≫≪祈りたる壊光≫≪捻じれて明星≫≪併せ造りし≫≪浄滅の貫槍≫──────【白光の撃槍】」
放たれた致死の一撃をギリッギリで回避し接敵する。
さらに弾幕を増やすアヤメ。
怒涛のような連撃を受け流、し叩き落し斬り飛ばす。
そのままの勢いでアヤメの手を掴み、後ろ手に捻り組み伏せた。
「はい、俺の勝ち」
「ああ、もう!!」
地団太を踏むアヤメ、焦げ付いた床、熔けた石畳。
「…………アヤメ、やり過ぎ」
「というか今、サラッと俺に浄化かまそうとしたよな?」
いくら実践訓練とはいえやり過ぎな気がする。
「皆さん、もうそろそろ休憩にしましょう?」
呼びに来たリリアナ。
喉も乾いてきたし丁度いいか。
「よし、休もう」
「あ~、お兄ちゃんズルい!!」
文句を言うアヤメをスルーして部屋に戻った。
明日はちゃんと書く。




