表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
仲間と魔王と栄転と

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/173

バンジーと落下と弾幕と

昨日は更新できなくてごめんなさい。許してください。

「………………何があったの?」

「オムレツ喰って昏倒したんだよ」


 ベッドに横たわるギンカ。

 見下ろす俺。

 つい先日とは逆の構図。

 アヤメに頼まれて様子を見に来たのだが……


「………面白い冗談。どこで笑えばいいの?」

「残念だが事実だ。ほら、ポーション飲んどけ」

「…………無理。暫らくすればアヴィンが来るし、その時に口移しで飲ませてもらう」


 おい。


「レン。邪魔だから出てって」

「ひでぇな…………まあいい、ゆっくり休んでろ」

「おやすみ……………………」


 そそくさとベッドにもぐりこむギンカを後に部屋を出た。




























「ギンカちゃんの様子どうだった?元気そうだった?」

「くたばってた」

「そうかぁ…………じゃあ今から襲ってくるね♪」


 ………えっ。


「皆さ~ん?ルーシーさんから連絡が来ましたけど…………ギンカさんはどうされました?」


 乱入してくるリリアナ。


「寝てるな」

「そうですか………じゃあレンさんにアヤメさん、これお願いします」


 そう言いながらリリアナに渡された書類には…………


「グリフォン?」

「王都近郊の街道にグリフォンが出て、商人ギルドから討伐要請が出たそうです」






















 乗り心地の良い竜車に揺られて街道に向かう。

 途轍もない快適さ。

 ケツが痛くない。


「そうだ、お兄ちゃん。今回は一つ作戦を立ててあるから協力してくれる?」


 そんなことを言うアヤメ。

 まぁ、別に構わないか。


「なんだ、あんた等軍人だったのか?…………もしかして、あのちっこい銀髪と同じ部隊の奴か?」


 そんなことを言う御者のおっちゃん。

 まず間違いなくギンカのことだろうな。


「知ってるのですか?」

「ああ、よく世話になってるからな。あの小さい体でよくやるよ………今日はあんた等二人が魔物を退治してくれるんだろ?よろしく頼むよ」


 よろしく頼まれた。

















「あんた等、ケガしないように気をつけろよ~」

「自己再生するのでご心配なく!!」

「………えっ?」


 唖然とするおっちゃんに手を振り、街道の奥に進む。

 俺の後ろからついてくるアヤメ。


「そういえばアヤメ、作戦って結局なんだ?」

「そうだった!ちょっと辛抱してよね、お兄ちゃん?」

「えっ」


 振り向いた俺の頭部に錫杖が迫り……………………


















「………なぁ、アヤメ。いきなり殴るのはまだいい。いや、よくはないがこの際いいことにする。…………なんで俺は縛られてるんだ?」


 両手を後ろに組み、胡坐をかいた状態で雁字搦めにされた俺。


「グリフォンは家畜やヒトを攫い、巣に持ち帰って捕食する習性を持つ。だったら()()()()()()()()()()空中で倒せばいいじゃない♫」


 にこやかに言うアヤメ。

 ふざけるな。

 ばさりと音がして影が落ちる。

 見上げれば、視界を覆う異形の姿。

 鷲の頭に獅子の胴体。

 猛禽の翼にケダモノの尾。

 飛竜(ワイバーン)と双頭を並べる天空の王。


「じゃ、私離れとくね~!」


 そそくさと離れていくアヤメ。

 俺の両肩を掴むグリフォン。

 その頭を天に向け一声かん高く鳴き……………空に飛び立った。

 急激な上昇圧力と風圧に苛まれるが、すぐに慣れる。

 目を開ければ一面に広がる青空。

 下を見下ろせば地平の果てまで続く雲海。

 ………………こうしてみると、この状況も案外悪くないな。

 ほんの少し肌寒くて手足に霜が降りだしたがそれだけだし……………空の旅というのもいいものだ。

 ………………現実逃避終了。

 俺はこれからこいつ(グリフォン)を倒して雲の上から帰還しなければならいが。

 風を切る音がして、俺の下半身が消失した。

 一拍遅れてくる熱風と衝撃波。

 それは、物体が空気の壁を突き破ったとき特有の大気の悲鳴。

 恐る恐る下を見れば、一面の雲海に開いた大穴から森が見えた。

 ヒュオン、と間の抜けた音が聞こえて風穴が追加される。

 突風の後、連続する空気の爆ぜる音。

 唖然とする俺。

 乱気流に翻弄されるグリフォン。

 突然の天変地異。

 犯人は間違いなくアヤメ(あの馬鹿妹)

 だがいったいなぜ。

 俺が混乱している合間に弾幕の密度は上がっていく。

 ───────────────下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。

 要は数をあてにした単なる物量作戦で、人によっては『量より質だ』ともいうのだろうが、数を頼みにするのも場合によっては間違った選択肢ではないのだろう。

 そしてこの場合それは正しかった。

 無数に飛んできた火球、そのうちの1個が、俺ごとグリフォンを吹き飛ばした。

 乱回転する俺。

 その視界の片隅に汚い花火になるグリフォン。

 ものすごい勢いで落下する俺。


「ほあああぁッ!?」


パラシュートなしでのフリーフォールも、高々度からの紐なしバンジーも初めてだからか、死ぬほど怖い。

 というか玉ヒュンなんて生易しいもんじゃない。

 怖すぎる。

 顔面が風圧で変な感じに歪んでる気がする。

 しかも………


「あっつうぅあああぁぁあああああ!?」


 俺の体を容赦なく吹き飛ばし焼いていく、大量の火球。

 空中で被弾が発生し吹き飛ばされ、更に被弾する。

 アカン、これハメコンボや。

 体は治るが空腹が酷い。

 恐らくはグリフォンの討伐に気付いていないアヤメが、弾幕張ったままにしているのだろうがこのままだと妹に縊り殺される。

 一瞬の後に切れる弾幕。

 始まる自由落下。

 よかった。流石にあいつも諦めてくれたようだ。

 頭から雲海に突っ込み、大気を裂いて抜けたその先に…………収束する紅いスパーク。

 かなりの距離があるはずなのに、ここからでも伝わってくる熱量。

 ……………………まさか弾幕が消えたのは攻撃を止めたのではなく、広範囲の一撃を放つためだったとは。  

 次の瞬間、落下中の無防備な俺を極光が吹き飛ばした。













昨日更新したっけ。してなかったっけ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ