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『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
異国と軍と迷宮と

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禿げと裏山とゾンビーフと

眠い。でも書かなきゃ。ねむzZzZzZzZZzZzZ

 中央で依頼を受けて迷宮に向かう。

 依頼内容は最近低層で出現数が増えたというゾンビの間引き。

 素材採集に響くので、早急に対処するよう要請が出たらしい。 


「ゾンビか。斬りやすそうだな」

「ゾンビって燃えるのかな」

「死蝋化してるなら燃えるんじゃないか?」


 迷宮の通路を進みながらのゾンビ談義。

 前方から聞こえてくる戦闘音。

 地図によれば、この先に大広間があったはず。


「急ぐぞ、アヤメ」

「オッケー」


 通路をひた走り大広間に突入。

 視界に飛び込んできたのは、数十体のゾンビとぶつかる探索兵パーティー。

 主人公感あふれる剣士に、胸のデカい神官。

 鎧を着た女騎士に、賢者風の老人。

 荷物持ちらしきゴリマッチョに少年斥候と一通りそろってる。

 バランスいいな羨ましい。


「助けに来た!前衛一人に後衛一人!援護する!」


 モンスターと勘違いされても嫌なので、呼びかけてから参戦する。

 虚空から大太刀を取り出して抜刀。

 近くにいたゾンビのこめかみから上を斬り飛ばす。

 緩慢な動作で近寄ってきたゾンビを斬り伏せ、ヤクザキックで蹴り飛ばす。


「感謝する!後衛一人が魔力切れ!援護はできない!!」


 リーダーらしき剣士の声に振り返ってみれば、血の気の失せた顔でしゃがみ込む禿頭の老人。

 魔力切れるとああなるのか。怖いな。

 アヤメの魔力が切れないように気を付けないと。


「問題ない!アヤメ、援護、を……………」


 アヤメに援護を頼もうとした俺の脳裏を掠めるのは、脇腹を通り過ぎた火の玉。

 はっきり言って、アヤメのコントロール力はカス以下。

 そんな奴に、援護射撃を任せるべきか?

 答えは否、断じて否。


「……………いや必要ない!周囲の警戒を頼む!」

「ねえ私の出番は?私の見せ場は?」

「あんたらはアヤメ……そこのノーコン魔法使いの護衛を頼む!」

「ねえ今ノーコンって言った?ノーコンって言ったよねえ!・」


 叫び声をあげるアヤメをスルーして、黙々とゾンビを刻んでいき……………



「コイツら増えてないか?」


 先ほどまでは50匹もいなかったゾンビが、いつの間にか100匹を越えていた。

 よくよく見れば、ほかの通路からもゾンビが流れている。

 恐らく、戦闘音にひかれてゾンビが集まり、それにつられてさらに集まるといった悪循環が発生しているのだろう。

 治癒の使い過ぎからか顔面蒼白の神官と、いかにも疲労困憊といった様子の剣士。

 ……マズイな。

 俺たちはともかく、向こうのパーティーは死人が出るぞ。


「おいあんた等!いったん下がるぞ!!」

「あ、ああ。了解した」


 伸びた魔法使いと膨れっ面のアヤメを引き摺り、出口付近へ。

 そのままスタンバイする。


「あんた等パーティーは逃げろ。俺達で対応する」

「無茶すぎる!一緒に逃げるぞ!」

「そこの爺さん担いだまま逃げても追いつかれるだろ?足止めはする」

「…………………ッ、済まない!」


 俺の催促に一瞬だけ逡巡を見せるも、即座に撤退するイケメン剣士。

 迷いが少ないのは良いことだ。

 取り敢えず、今は。


「アヤメ、何分で撃てる?」


 俺のセリフの意味を解したのか、いじけ顔から急速にハイライトが復活するアヤメ。


「何分かかる?」

「何分だって?45秒あれば十分だよ!!」


 急速に活力を取り戻し、錫杖を振りかざすアヤメ。

 杖を掲げ目を閉じ動かなくなる、完全な集中状態。

 俺の仕事は45秒の間、防御も回避もしない人間を守ること。

 大きく息を吸い、吐き出し。


「アアアァアアアア!!」


 世界が遅くなるほどの過集中の中、向かってくるゾンビを斬り伏せ斬り裂き斬り刻む。

 腐肉が宙を舞い、地を汚す。

 爛れた肉を斬り、骨を砕く感触。

 吐き気のするような光景の中ただ斬ることだけに意識を集中し。


「≪始原の種火≫≪転じて劫火≫≪巻き込み≫≪荒れ狂い≫≪焼き尽くし≫≪蹂躙し≫≪灰燼に帰せ≫【焦土】!!」


 ゾンビの群れを、紅い津波が呑み込む。

 その名の通り、地面を焼き焦がしながら突き進む、紅蓮の奔流。

 火炎放射の如く解き放たれた獄炎がゾンビを消し飛ばし消滅させた。 


「依頼達成、だな」

「護衛ありがとう。お兄ちゃん」


無茶な動きをしたせいで全身が筋肉痛の俺と、慣れない火力調整でフラフラのアヤメ。

 二人連れ添うようにして迷宮を脱出した。

















「…………はい、ゾンビ駆除の依頼達成となります。探索兵の救助報酬込みで大金貨2枚です」


 救助報酬が意外に大きかったようだ。

 そして疲労がヤバい。

 這いつくばるように家に帰って、飯も食わずに惰眠をむさぼった。


ゾンビーフお食べ。

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