風呂と相場と鉱石と
短めになってしまった。
ゴブリンを抹殺し、探索兵になってからはや一週間。
俺達は深刻な問題に直面していた。
「風呂に入りたい」
切り詰めたような、悟ったような目で言うアヤメ。
この一週間、ダンジョンに潜りクエストをこなした日々。
アヤメのせいで幾度か生命の危機を感じる瞬間もあったし、その他の要因で危険な目にあいもしたが、それも含めて充実した時間ではあった。
……………………唯一つの問題点を除いて。
ゴブリンを倒し宿に帰った時、おばちゃんに風呂の場所を聞いて「そんな贅沢なものはない」と言われたのが始まりだった。
おばちゃんに「風呂に入りたければ家でも買え」と言われ、家の相場を調べたのだが……………
「家の相場が大金貨15枚、今の所持金が大金貨2枚と銀貨6枚…………………不足分は、ざっと大金貨13枚………か」
「いつになったら風呂に入れるんだろうね……………いい加減タオルを濡らして身体を拭くのもキツイし」
愚痴をこぼすアヤメ。
活力の入らない体に鞭を打ち、中央へ向かった。
「という訳でおっさん。お手軽に稼げる依頼はあるか?」
「どういう訳だよ」
カウンターに身を乗り出す俺と、ジト目のおっさん。
あいも変わらずに需要の無いシチュエーション。
「ったく。そんなに稼ぎたきゃ鉱石採取でもしてこい」
儲け話の匂いがする。
「儲かるんですか?」
わかりやすく目が$マークのアヤメ。
気持ちはわかるが少し抑えろ。
「あぁ、運が良ければ、な」
いい顔で笑うおっさん。
光り輝いて見える。
「鉱石採取の依頼なら、場合によっては大金が稼げる。報酬が出来高払いだからな」
「今から受けてもいいですか?」
食い気味に尋ねるアヤメ。
「別に構わないが……………………魔物と落石に気をつけろよ」
いくつか忠告を受けたあと、ダンジョンに向かった。
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