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『異世界狂騒録』~兄妹揃って異界に飛ばされたので好き勝手に生きる~  作者: 御星海星
異国と軍と迷宮と

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宿と中央と不眠と

次回から戦闘多めです。

 赤レンガの屋根と、堅牢そうな石造りの3階建ての建物。

 リュックと羅針盤のモチーフの看板。

 ここだな。

 入口のドア─────木材を金属板で補強してある────────を開けて中に入る。

 途端に耳に響く喧騒と酒の匂い。

 ……………………まだ昼間なのに、もう呑んでんのかよ。

 カウンターで忙しそうに注文を取るオバチャンに、この宿に泊まりたいと伝える。


「おや、若いのにうちに泊まるのかい?」

「はい、宿を借りたくて」

「何日ぐらい泊まっていくんだい?」

「取り敢えず、四日ほど」

「二人で大銀貨8枚。同じ部屋に泊まるなら大銀貨4枚だよ」

「相部屋でお願いします。これで足りますか?」


 アヤメがそう言って、ブライアンさんに貰った金貨の中から一枚を取り出す。

………………金が勿体ないが、モラルは大事。


「なぁアヤメ。ここは高くても別の部屋にするべきだとっ?!」

 

 鈍い衝撃と共に俺の腹にアヤメの裏拳がめり込む。

 悶絶する俺。

 息が詰まり倒れ込みそうになるのを気合いで耐え………………膝から崩れ落ちる。


「はいよ。釣りの大銀貨6枚だ」


 俺の惨状に目もくれず、手早くお釣りを渡すおばちゃん。   

 プロだ。


「部屋は3階の十二号室。鍵渡しとくから。…………あんたら探索兵になるつもりかい?」

「ええ、まあ」

「なら、今からでも中央で登録しておいで」

「何故ですか?」

「探索兵には軍から装備が支給されるのさ。今から行って登録してくれば明日には職業に合わせた装備品が支給されるからね」

「ご丁寧にありがとうございます」


 色々親切なおばちゃんにお礼を言い、中央に向かった。









 デカイ。

 中央の第一印象はまさしくそれだった。

 ちょっとした豪邸並みのサイズはある。

 鈍く光る金属で造られた5階建ての建物。

 剣と盾、杖と鎧のモチーフ。

 堅牢な要塞を思わせる、年季の入った石造り。

 その迫力に少しばかり飲まれながら扉をくぐる。

 テンプレの美人ではなくゴツいオッサンだった受付さんに、登録のお願いをし。


「って痛い痛い痛い!」


 突然の激痛と、肘から響く異音。

 とても良い笑顔のアヤメが、俺の腕を捻り上げていた。


「ねぇ。お兄ちゃん。何考えていたのかなぁ?」

「何も考えてねぇから、腕極めるのやめ」

「何考えてたのかな?かな?」

「あの、その、はい、すみませんでした。」

「よろしい」

「……………………なぁ、お前ら、うちに用があってきたんだろう?じゃれてないでさっさと入ったらどうだ」


 ジト目のおっさんに飽きられながら、二人してカウンターの前に立つ。


「それで今日は「探索兵登録、だろ?」…………よく分かりますね」

「二十年もこの仕事やってるとな、いろいろと覚えるんだよ。…………取り敢えず、ステータスプレートを作ってもらおうか」

「あっはい」


 渡された2枚のカードに、前回と同じ要領で血を擦り付ける。

 ………………変わった点はないな。

 王国から脱出したことによって罪科が点くとか、そういうのはないみたいだ。

 出来たカードをおっさんに渡す。


「…………外道戦士に撃滅魔道士か。強いが難儀な職だな」


 外道、ねぇ。

 外道扱いされるような事をした覚えは…………ロルフのタマキンを蹴り潰したことと、森ごと兵士を焼いたことぐらいしかない。

 それよりも、おっさんの哀れむような視線と「難儀」という言葉が気になる。


「大変なんですか?」

「ああ、外道戦士は攻撃に支援に弱体化と一通りこなせるが装甲が脆い。撃滅魔道士は威力も連射速度も申し分ないが命中精度が悪すぎるうえに味方を巻き込みやすい。あまり人気はないな。夫婦でパーティー組めば問題ないだろ」


 親切に説明してくれたおっさんには悪いが、問題しかない。

 ……………それに。


「すいません。俺達は兄妹です。」

「そうなのか?顔立ちがだいぶ違うから間違えちまった」

「いや、それは別にいいんですけど………隣が」

「夫婦………お兄ちゃんと……………ありかも」

「デレるなクネクネするな気持ち悪い」

「ひどくない?」

「なんか、その、スマン」

「なんか、もう、いいです」


 顔が似ていないせいで日本に居た頃からよく間違えられていたが………なんだろう。

 この一瞬で疲れ果てた気がする。


「それで、装備はどうするんだ?」

「俺は片刃の剣で」

「ええっと…………私は魔法少女っぽい服と杖で」

「……………何なんだろな〜。たまに出てくるその『魔法少女』っう単語は。それと坊主、お前刀使い、サムライだったりするのか?」

「刀があるんですか!?」


 驚いた。

 ないものねだり前提だったが本当にあるとは。


「あ、ああ。だがあれは獣人の技だったはず。お前等、混血だったりするのか?」

「いえ、祖父に習って」

「そうか……………嬢ちゃんの方も見繕っておくから明日取りに来てくれ」

「分かりました。楽しみにしときますね」

「おう、任せてくれや」


 明日への期待感を抱いて、宿に帰った。




ハッヤクツヅキガカキタイナー

母さん「あんたー。ご飯やでー」

orz

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