嘘
嘘は、いつも都合良くやって来る。そして嘘は平気でのさばる。そして嘘は何層にも重なっていく。
重なり出した嘘は、もう真実になるしかない。真実に見せ掛けるしか無くなる。
嘘は、真実と隣合わせで身を潜めている。
やがて真実が顔を出した時、嘘は黒くて醜い塊になる。そしてその醜い塊に、やがてひびが入り弾けると、空気に混ざり、飛び出していく。
そして、その弾けた嘘は、時間が経つごとに薄くなる。
でも嘘はまた、形や色を変えてやってくる、そう、都合良く。
この世から無くなる事は決して無い、醜い塊。