暖かな気持ち
明日香の様子は昨日よりもよくなっていた。
「もう大丈夫そうだね」
「…うん」
まだ少し泣いているがだんだんと落ち着いてきている。
「じゃあ大助さん伝えに行こうか」
すると明日香は首を振る。まだ話したいことがあるのだろうか。
「武はもう帰らないと家族に心配される。だからお父さんには私から話す」
明日香の話を聞いていて気づかなかったがもうすでに日が暮れている。
さすがにもう家に帰らないと行く場所は伝えているとはいえ心配されるだろう。
「じゃあお願いしてもいいかな」
「うん、お父さんにきちんと話す。ちゃんと武に頼るって」
「なら、任せようかな」
明日香は俺が帰れるように朝野さんを呼んでくれた。
というよりもドアの前で待機していたようだ。
「そういえば…」
「どうしたの」
一つだけあることを忘れていることに気づく。
「今度遊びに来てもいいか」
「別にいいけど」
なぜ急に…。そういった顔をしていた。
「実は美春が遊びに来たいといってたからさ」
「私の家に美春ちゃんをぜひ連れてきてほしい」
そうして遊ぶ約束をし俺は家に送ってもらった。
家に着くと朝野さんにお礼を言われた。
明日香様を助けてくれてありがとうと。
☆
久しぶりに泣いた気がする。
私はお母さんがいなくなってから泣いた記憶がない。
いつも耐えるほうばかりを選択していた。
でも武のおかげでなんかすっきりした。
武が帰った後お父さんに説明をした。
「武に頼ることにした」と。
その時のお父さんはなんだか複雑そうな顔をしていたけど
「わかった。よかったよ、明日香に頼れる存在ができたことに」
と安心してくれた。お父さんは私のことを心配してくれていたから安心させれてよかったと思った。
今日は泣いて疲れた。早く寝ようかな。
歯を磨いて寝る準備をする。
今日武に抱き着かれたけど全くいやじゃなかったな…。
それに懐かしい感じもした。まるでお母さんやお父さんみたいな。
頭を撫でられた時も同じ気持ちになった。
お願いしたらもう一度やってくれるかな。
武ならやってくれそう。そんなことを考えると少し笑みがこぼれる。
胸のあたりが温かくなる。この気持ちは何だろう…。
そういえば今度妹を連れて私の家に遊びに来てくれるらしい。
まだ日にちは決まってないけどその時にでも撫でてもらえるか頼んでみよう。
そんなことを考えていると瞼が重くなってくる。
明日は学校。日曜日までは少し憂鬱な気持ちだったけど武のおかげで楽しみになった。
ありがとう武。
ありがとうございました。




