二人の勇者と二人の女王そして四人の悪役令嬢おまけに転生者一人の物語
ハレムチートキャラの主人公同士が対決したら、自作で試してみた。中二病的夢企画、誰しもが恥ずかしくて躊躇してしまうだろうが、とりあえず書いてみる事に意義があるのでやってみる。尊VS康治とその女たち。
対決してみた。
ここは、コロッセオ(闘技場)。
数多の観客達が、このエキシビションマッチを見ようと、固唾を飲んで見守っている。
闘技審判が、「戦」と書かれた大旗を振り下ろす。
戦いの火蓋は切って落とされた。
「どういうことなんだよ、これは」
尊は、目の前にいる相手を見て、思わず呟いた。
「敵・・・なんでしょうか」
壱与は呟く。
「・・・戦うのか・・・」
康治は目の前に、自分と似た女性をはべらす男を見て呟いた。
「勇者様、「戦旗」は振り下ろされました。こうなってしまっては、もう戦うしかありません」
ポランは、ごくっと唾を飲み込むと、お祓い棒を身構える。
奇しくも、ポランと壱与、十六夜は巫女装束を身に纏っている。
「メロンたん」
すべての女性陣は頷き、
「そう・・・真のハレムは一つでいいっ!」
同時に叫んだ。
「真、方天画戟!」
黄河は方天画戟を大上段に身構え奥義を発動する。
「我、聖剣デュラ子、汝の攻撃を防ぐ者なり」
デュラ子は聖剣デュランダルの形態のまま、黄河の奥義をはねのけた。
「くっ、アタイの奥義を!」
「では、今度はこちらからだ!スプレンディド・ニードル!」
シャロットは飛び上がり、アリスを目掛けレイピアで連撃する。
「まじっくはんど」
アリスは、まじっくはんどを巨大化させ、手の平部分で攻撃を受け流す。
「やるなっ」
「では、俺がいこう!アルスブレイク!」
主人公以外で唯一の男性勇者アルスの一撃。
メイヤとライヤは左右に飛び散って、彼の攻撃を回避した。
剣圧によって、地にクレーターが出来る。
「なんという破壊力」
「油断は、出来ませんわ、お姉様」
メイヤとライヤは互いに頷き合った。
「光陰エルフの大弓一撃」
エルフの女王、エスメラルダは花々へ目掛けて弓矢を放とうとする、娘アリエルは駆けだし、ミドルソードを抜く。
「させません」
蕉蝉は、エスメラルダへ手裏剣を投げる。
「桜花、手裏剣乱舞」
「・・・・・・」
エスメラルダの放った矢は手元が狂い、花々の頭上をかすめる。
同時にアリエルが飛び込んでくる。
咄嗟に花々は小太刀で彼女の攻撃を寸前で受け止める。
「では、グリーンガムの鞭っ!」
ローラは、鞭をしならせ、エリザに襲いかかる。
「La defense(防御璧)」
エリザは防御璧を自分の前に作り、ローラの攻撃を防いだ。
「アタクシには通じません・・・アナタ素敵なお姉様ですわね」
「姫様!」
勾玉の力で相手の攻撃を防ぐ十六夜が、壱与に叫ぶ。
「ええ、尊」
壱与は鏡を掲げた。
「わかった」
尊は天ノ草薙剣を頭上高く掲げる。
三種の神器の力が発動され、剣へと結集される。
「させません」
ポランは、康治の前へ立ち、彼を守ろうとする。
「メロンたん・・・」
康治の赤髪が燃え、覚醒する。
「神器解放、三神器の雷っ!」
尊は、剣から迸る渾身の雷鳴一撃を放つ。
「トントン、バーニングファイヤー!」
大火球となった康治は、ポランの横をすり抜け雷鳴一撃へと向かう。
「うぉーっ!」
「ぬぬぬぬぬぬ!」
激突!
互いの想いと意地が交錯する。
雷と炎のエネルギーが、一か所に集中し、空間に歪みが生じる。
眩い閃光が二人を包んだ。
「尊っ!」
「たけっち!」
「勇者様!」
「コォジィ!」
互いの女性達の呼ぶ声が、意識薄れゆく二人の耳に届いた。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
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二人は、大の字に倒れながら青い空を見ていた。
「なかなか強いな」
「あなたこそ、オッサンの割にはなかなかでした」
「はっ、言うな」
「そっちこそ」
そっと、康治は尊に手を差し延ばした。
「・・・・・・」
尊は、その手をぎゅっと掴んだ。
2人は半身を起こす。
「がんばれよ」
「そっちこそ」
二人は互いの顔を見合わせて笑った。
駆け寄って来るみんな(ハレム)に手を振りながら・・・。
さんくす
引き分けってことで。