表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スライムだけに使える最強チート!  作者: 六傘ヒロシ
第1章 紺碧の神子降誕編
12/42

11:岩山のダンジョン攻略!

前回のあらすじ

因縁の相手グリース三兄弟を伴って私は、いざ岩山のダンジョンへ!


「でっか!」


 雲海(うんかい)を突き抜けるほどの巨大な岩山を見た私は、口をあんぐり。

 町を出て北へ半時間ほど歩いた場所に、岩山のダンジョンはあった。


「神子様、こちらです!」


 エアーズロックを彷彿とさせる巨大岩の側面に大きな亀裂が走っていて、その前でエスカが手招きをしている。

 エスカのそばに立て札看板「こちら岩山のダンジョン入り口」。


「よっしゃあああ! 神子様のために働くぞおおおお!!」


 カチコミヤクザのごときテンションで入り口に突撃するグリース三兄弟に続いて、私とエスカもダンジョンの中へズズズと侵入。

 ダンジョン内はところどころ太陽の光が差し込んでいて、暗すぎるということはなかった。

 その中を私たちは、ズンズン進んで行く。


 隊列はエスカとジョニーを先頭にして、その次に私、後ろに次男のジョージと三男のJJが続く。

 私は、お化け屋敷でいうところの一番怖くないポジション。

 

 オーケーオーケー、これで心置きなくダンジョン探索ができるってもんだ!


 なんてタカをくくった。そのとき、


「ゴアアアアアアア!!」


 突然けたたましい声がして、横から紫色の狼のようなモンスターが飛びかかって来た!


「ぎゃあああああああ!」

「危ねぇ! 兄貴!」

「おう!」


 危険を察知したジョージが、背中のリュックから刃渡り90cmのロングソードを取り出して、兄のジョニーへ投げ渡す。

 ジョニーは、それを受け取るとザン!

 私に噛みつこうそしていた狼モンスターを一閃!

 ゴロンとモンスターの首が転がる。


「ひいいいいいい、グロっ!」

「神子様、お怪我はありませんか! ええい、この糞モンスターめ! 神子様を驚かせるとは、死んで償え!」


 目を覆う私に対して、エスカは地面に転がったモンスターの首をサッカーボールのごとく蹴飛ばす。

 恐ろしい娘!


「コイツは、ウルフだな。岩陰に隠れて冒険者を襲う卑怯なやつだ」

「へへへ、コイツの干し肉は美味いぜ~!」


 ジョージとJJが、ナイフを取り出してウルフの皮を剥ぎ始める。


「うげ~、モンスターの死体って消えないんだ。もっとこう……可愛く爆発して、アイテムとお金が落ちる感じなのかと思った」

「神子様、そんなオカルトありませんよ」

「じゃあ、お金とかはどうやってゲットするのさ!」

「これですよ、神子様!」


 ジョージが首なしウルフの胴体に手を突っ込み、中から血まみれの赤いビー玉のようなものを取り出した。


「なにそれ?」

「これは”核”と呼ばれる玉です。すべてのモンスターにはコイツが入っていて、モンスターのレベルによって色や大きさが変わります。核はギルドでお金に替えられて、このウルフに入っていたのは通称”赤玉”。この大きさなら、換金して2ドールくらい。まぁ、大根一本分ですね」


 ジョージは、”赤玉”を手のひらの上で転がしながら得意げに言う。


 なるへそ。

 そんなシステムがあるのね。

 ということはモンスターを倒してジャンジャン核をゲットすれば、そのぶん報酬も増えるということか。


 よーし、モンスターを倒しまくるぞ!


 と、私は心の中で意気込んだけど、よくよく考えたらさっきのウルフだっけ? あんな凶暴なモンスター倒せる自信がない!

 

 ……あ、そうだ!


 ここは、ジョニーたちに協力してもらえばよくね?

 モンスターが出て来たら、ひとまずジョニーたちに攻撃してもらって、相手のHPを削る。

 そして弱って来たら、私がとどめを刺して経験値と核をゲット。

 もし攻撃を受けてもエスカに回復魔法をかけてもらえば、オールOK。


「よし、完璧!」

「どうしたの、神子様」

「いや、エスカたちがいてよかったなと思って」

「神子様……///」


 パチンとウインクをする私を見て、エスカは赤面。


「さぁ、行こうか!」


 私は、意気揚々と冒険の一歩を踏み出す。

 しかし、


「あ、神子様! 足元!」


 すぐ後ろでJJが叫んだ。


 プニュ。


 右足に程よい弾力。

 見ると、靴の下にはサッカーボールサイズの青色の物体。


 スライムだった。


 ギュル。

 突然、私の両足が雑巾を絞るようにねじれ始めた。

 そのねじれは、私の胴体、さらに腕にまで及んでいき、ギュルルルルルルル!

 私の全身がドリルように回転し、スライムを攪拌粉砕!!

 さらに回転は止まらず、ドリルと化した私の足は地面にめり込み、ガガガガガガガ!

 凄まじいスピードで穴を掘りながら、地下へ!


「どわああああああ!」


 エレベーターが回転しながら急降下するような感覚を味わいながら私は地面を掘り進めていき、数秒後。


 ドガッ!


 何かを突き破ったような感覚。

 気づくと私は空中にいた。

 

 体の回転は次第に弱まっていき、スローモーションのトリプルアクセルのような感じで地面に着地。


「……おえっ!」


 回転による酔いでフラフラになりながらも、私は辺りを見回す。

 紫色の鍾乳洞。

 小学校の体育館くらいのスペースに水たまり、気味の悪い草、巨大な岩が見て取れる。

 上に目をやると、まばらに広がる鍾乳石の中にぽっかりと大きな穴。

 おそらく私が開けた穴だろう。

 地上からドリルのように地中を掘り進んで、この地下空間へたどり着いたのだ。

 穴のむこうに10円玉くらいの入り口が見える。


「おーい!! エスカー!!」


 その入り口に向かって叫んで見たが、返事なし。


 ああもう! やっちまった!

 まさかのダンジョン序盤で、スライムチート発動!

 結果、仲間と分断されて、この不気味な空間に一人ぼっち!

 もしモンスターに襲われでもしたら……!

 あわわわわ、お、落ち着け、落ち着け!

 まだ慌てるような時間じゃない、冷静にここから脱出するための作戦を立てるんだ!


 そう考えながら、私は近くにあった岩に腰掛けた。

 しかし、次の瞬間!


「グルルル……」


 突然、岩が唸り声をあげて動き出した!

 なんと!

 私が座っていたのは岩ではなく、巨大なドラゴンだったのだ!!



まさかのドラゴン!?

読んでいただきありがとうございました!

次回更新は、明日の19時ごろを予定しています!

ブクマ評価、感想お気軽にどうぞ〜!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ