第7話 妖精のようだ
アランは今回お休みです
「おぉ‥‥アランちゃんの寝顔凄い可愛いな‥‥」
「だろぉ‥‥? 俺の気持ちがわかるか?」
「すまない、正直わかってしまうぞ‥‥」
俺達の騒ぎが面倒になったのかアランは眠りについてしまった。当然だろう‥‥15歳の少女にはキツイ時間帯だったからな。俺はシリウスを殴り飛ばしてやっと落ち着いたのだ。すやすやと寝息を立てるアランちゃんの寝顔を見ていると、本当に妖精なのではないだろうかと思う‥‥明日、日が昇れば月夜の幻が溶けて彼女が消えてしまうのではないかと思ったのだ。
「だが、これはまずいよな?」
「‥‥ハイ」
シリウスは見た目が良いせいでアランちゃんのように最初は女性達に好印象を与えるが、実のところは女に目が無く際限がないのだ。成人してるとはいえ成熟しきっていない身体を見る限りあまり物を食べて来なかったのだろう。だから俺は気に入らなかったのだ、シリウスのそういう所が。
「いくらなんでも幼すぎる、落ち着いた態度で喋り物の考えも大人だが‥‥この子はまだ15歳だ。」
「あぁ‥‥」
彼女の前までの生活を少し聞いたが、とても良い生活ではないと思う‥‥俺はアランちゃんが暴力を振るわれていたと知った時今までないほど怒りに満ちた。悪さをしてしまった訳ではない彼女にそんな事をしていいのは誰一人としていないからだ。
「本当に15歳なのか?」
「あぁ、そうらしい‥‥彼女の生活は孤児院が半分、オジサンと言った引き取りてのとこで半分といった所だろう、引き取られてからずっと暴力を振るわれていたらしいし程度は知らないが時より水浴びをしたとき‥‥背中に痕があるのを俺は見た。」
聞き捨てならない事が聞こえたのだ。
「おい、お前今‥‥」
「違うんだ!! あれは事故だ!!」
さすがに今回が初犯だと思うので、きっと本当に事故なのだろう。
「アランちゃんか‥‥お前に少し怯えていたな、いや、男に怯えていたというべきだろう。肩が震えていた。」
「‥‥あぁ。」
原因は義理の父親となった例の男だろう、今回のシリウスの行動にも少し非があるが。
「お前達もベルンイン王国を目指しているんだろ? 俺も一緒に行く。」
「あぁ‥‥構わないが」
「少しこの子の事が気になるのもある、お前が深い傷をえぐらないように見張っているから、下手な事はこの俺がさせん。」
少しシリウスが残念そうに見えるがそんなことはどうでもいい、旅は道ずれって言うし楽しくいこうや、正直1人で食うメシも飽きていたところだし3人なら楽しいだろう。
登場キャラクターの名前に「ア」が多いのは私のネーミングセンスが死んでいるからであります・・・・