表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私と冒険者と日常  作者: アイリス卿
王都ベルンイン編
24/47

第24話 祭りの前の

「アラン、今日さ‥‥」

「うん? なぁに? シリウス?」


 カール家に泊めていただくようになってから1週間ほどが過ぎ、色々な事を手伝わさせてもらった、畑をやっているというミューラさんについて果物や野菜の収穫を手伝ったり、カールさんの仕事で必要な書類を纏めたり、書かれている物が間違って居ないか確認したり。一応読み書きができる為、カレンちゃんに字を教えてあげたり。


 平和な一週間が過ぎた今日この日‥‥


「デートしないか?」


 デートに誘われた。


「‥‥‥‥へっ?」

「その‥‥最近、アランは頑張ってるから、何かご褒美をあげたくなったんだ、一人で選んでもつまらないからさ、君と一緒に行きたいなと思って‥‥どうだろう?」

「‥‥えと‥‥う、うん。いいよ?」

「ありがとう、1時間後、外で待ってる。」

「う、うん‥‥わかった。」


 1時間後‥‥どうしようあんまり時間がない、私は急いで貸してもらって居る部屋に行く。


「えと‥‥どうしよう‥‥」

「どうしたいの?」

「あ、セイラさん‥‥ってあれ!? セイラさん!?」

「シーっ‥‥静かに。」


 部屋にはセイラさんがいつかのようにお茶を飲んでいた。

 あまりにも自然だった為、気づくのが遅かった。


「えっと‥‥デートに誘われて‥‥」

「うん、シリウス君でしょ?」

「はい‥‥あの、どうしたらいいんだろう‥‥私、この前もらったこの服と‥‥旅する時に使ってた服しか持ってないから‥‥」

「ふふっ‥‥任せなさい」


 すると、何処からか取り出した派手すぎず、可愛らしい衣装たちがベッドに置かれていく。


「どれがいい? あげるわ。」

「えっ‥‥あの‥‥」

「いいのっ‥‥貰って欲しいな。」

「うっ‥‥」


 そんな風に言われたら‥‥頂かないと悪い気がして来て‥‥


「あの‥‥私に似合うのを選んでいただけませんか‥‥?」

「いいわ、じゃあこの白と青い花柄のワンピースと、今日は天気がいいから、日傘ね。」


 日傘はまた何処からか取り出したのか、セイラさんの選んだワンピースと同じ柄を施されたものだ。


「わぁ、素敵‥‥」

「アランなら何でも似合うけれど、私はこれが一番合うと思うの、どう?」

「えと、これでお願いします!」

「うん、それじゃあ1つだけ約束して?」

「約束‥‥?」


 セイラさんは私をぎゅっとすると、言葉を続けた。


「私と会った事は秘密ね‥‥?」

「あ、はい‥‥わかりました。」

「お願いね、あら、そろそろ時間になってしまうから、着替えちゃって? それじゃあね。」

「はい‥‥ありがとうございます、セイラさんっ」


 セイラさんはスゥっ‥‥と消えていき、選んでくれた服だけが残った、今日はティーカップと紅茶入れを忘れなかったみたい。

 そろそろ行かないと、彼を待たせてしまう。


「‥‥‥‥ど、どうかな‥‥シリウス?」

「‥‥‥‥似合ってる‥‥すごく。」

「あ、ありがとう‥‥」

「あ、あぁ‥‥じゃあ、い‥‥いこうか。」


 セイラさんが選んでくれた服は、私に似合ってるみたい。

 畑仕事を今日は手伝わなくていいと言われたし、カレンちゃんは今日お隣のお家に遊びに行ってる、カールさんは仕事で早々と家を出て言って居る為、残ったのが私とシリウス。アーロンさんは他にも顔を出しに行って居るから二人きりだ。

 

 本当に今日はいい天気で、日差しが強い、日傘を貸してくれたセイラさんに感謝しよう。


「それにしても、いつそんな服を手に入れたんだ?」

「あ、これね。ミューラさんと行ったお店に、シリウスから貰った料理代の余りで‥‥勝手に使っちゃってごめんね。」

「良いんだ、君にはお世話になっているし、あれくらいじゃ少ないなと思ってたんだ。でもよく買えたな? 義姉さんの行くところ、品物は良いが値段も良いぞ‥‥」

「料理代で貰ってたお金も結構な量だったし、サービスとかおまけとか一杯してもらってたから‥‥」

「そういえば、そうだったな」


 実はそんなことなくて、料理代は料理代でキッチリと使った、なので私は一切のお金を持っていなかったりする‥‥

 うん‥‥? ワンピースのポケットに何か‥‥


「‥‥!!」

「どうした? アラン?」


 お金が入ってる‥‥結構な額が‥‥銀貨5枚と‥‥銅貨10枚‥‥!? 1か月の料理代くらい入ってる‥‥


「ううん、なんでもないっ」

「そうか?」


 セイラさんだ‥‥あんまり使う事がないようにしよう‥‥それでお返ししよう。


「ごめんねシリウス、私。服の方に使っちゃって‥‥」

「あぁそれなら気にするな、俺の方は余裕があるんだから、気持ちよく奢らせてくれ。」

「うん、わかった、ありがとう‥‥」


 シリウスにはいつもお金を出してもらってる‥‥お仕事出来るようになったらちゃんと返さなきゃ‥‥いくら使ってもらったかわからないから、これからは数える様にしなきゃ。

 それにしても、今日は人が多いなぁ、何かあるのだろうか?


「そろそろ祭りの時期だからか、人が多いな。」

「お祭りがあるの?」

「あぁ、ベルンイン王国の象徴で、青い目のライオンが顔を出してくれる頃なんじゃないかな、俺は一度も会った事がないからわからないけど、そろそろ何だと思うぞ。」

「へぇ、会ってみたいなぁ」

「会えたらいいな? それより‥‥」

「‥‥あっ‥‥」


 逸れたくないから‥‥そう言って手を握ってくるシリウス。

 心なしか、少し恥ずかしそうで‥‥私も恥ずかしくなってくる。


「‥‥‥‥」

「‥‥」


 2人とも無言で手を握って、デートを続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ