第16話 再会
盛り込み過ぎたし、拙い!!
「オイ‥‥あれ見てみろよ‥‥すんげぇ可愛い。何あれ妖精?!」
「んだよ‥‥そんな大げさなマジカヨ妖精じゃん!?」
「わぁあの子素敵ー!!」
「モデルさんかなぁー!?」
「あれってピエトロの最新のファッションじゃない!? 私も買いに行こう!!」
「にしてもすっごい綺麗な子だな? ピエトロんとこの秘蔵っ子か!? 今まであんなモデルの子見た事ねぇぞ!?」
「あ、握手してもらえっかな‥‥」
「やめとけ、お前の手は汚いから‥‥」
「おうなんだと!?」
‥‥なるほど、これが目的だったのかな。
先ほどからカールご夫妻と歩いていると凄い視線を感じる。ミューラさんは鼻高々と言った表情で堂々と歩いているし、カールさんは鋭い視線そこら中に配り、カレンちゃんは私の手を握ってニコニコしている。
「あ、あの‥‥恥ずかしいです。」
「ふふふっ、もっと堂々として? アランちゃんは今、この場に居る誰よりも素敵な女の子なのよ?」
「そうだなミューラの言う通りだ、俺達が君達を守るから、堂々として欲しい。」
「あぁ、アランを守る。」「こりゃすげぇ人気だなぁ‥‥」
後ろから私に続いて歩いてくるシリウスとアーロンさんの後に続くかのように、ぞろぞろと人が集まってくる。
なんだか見世物になってるみたいで嫌だけど‥‥それよりも恥ずかしい。
「足綺麗ー!!」
「初めて見たわあんな美人!!」
うぅ‥‥見ないでっ‥‥
「オイ見ろよ!! 顔赤くなってるぜ!?」
「ヒュー!!」
あぅ‥‥
「ハハハ‥‥ちょっと、大げさになってきちゃったかな‥‥?」
「うーん‥‥アランちゃんが可愛すぎるからなぁ‥‥」
「同感‥‥」「全くもって‥‥同感だ」
「アランお姉ちゃんお姫様みたい!」
うぅ‥‥カレンちゃん、そんなキラキラとした目で見ないで‥‥
「これは何の騒ぎか? 道を開けよ」
騒ぎを聞きつけた警備隊までもが来る羽目になってしまった。
「ん‥‥? カール隊長!? お、お疲れ様です!!」
「ん、ご苦労、すまん、ちょっと人を巻いてくれないか?」
「ハッ! 散れ散れ! 見世物じゃないぞ!!」
「とかなんとか言っちゃってガッツリ見てんじゃねぇかよ~!!」
うわ、ホントだ、警備隊の人、全員こっち見てる‥‥見ないでぇ~‥‥
「た、隊長‥‥こりゃ、見ちゃいますよ‥‥」
「‥‥気持ちはわかる、だが仕事をしろ、明日話してやるから。」
カールさんは警備隊の隊長さんらしく、部下の人達に何とか言って集まった人達から私達を助けてくれた。
その後、今日の警備隊の責任者のような人がカールさんに近付いていって。
「隊長‥‥自分、まだ、独身なんですよね‥‥〈チラッ」
「‥‥ダメだ、家の娘に手は出させん!!」
「えぇ!!??」
カールさんにこっぴどく何かをされていた。
その甲斐もあってかはわからないが、騒ぎも静まりを見せ、無事に孤児院にたどり着く事が出来たのだが‥‥
「わぁー!! お姫様がきたー!!」
「きれー!!」
孤児院の外で遊んでいる子供達が私を見つけて、わらわらと寄って来たのだ。その中で、私と同じくらいの歳の子が一人だけ居た。
どこかで見た事があるような‥‥その時。
「こらこら何の騒ぎー? 早く布団をとりこん‥‥‥‥」
懐かしい声、懐かしい喋り方。
「‥‥‥‥アラン‥‥?」
「おかぁ‥‥」
「アランかい‥‥?!」
「‥‥うっ‥‥おかぁ‥‥さ‥‥」
私は走り出して、懐かしい人の胸に飛び込んだ。
「本当にアランかい!? アラン‥‥!! あぁ私のアラン‥‥!!」
「おかぁさぁああああん‥‥」
「ぁぁっアラン‥‥私の可愛い娘‥‥ずっと心配をしていたのよ‥‥」
「うわぁぁぁぁん‥‥おかぁぁさぁあん‥‥」
今まで会いたくても会えなかった、辛い時、いつも思い出していたこの匂いと感触。
「おかえりぃ‥‥アラン‥‥」
そして、お母さんの声と、手の感触。
だが楽しかった!! そしてブワッとした!




