第15話 オシャレ
カールご夫妻は、お金持ち。
「あれ? カールさんとシリウス、どうしたの? その傷。」
「うん? あぁ? これかい? 昨日は結構飲んでしまってね、外に行って涼んでいたら転んでしまってな。」
「‥‥よく言うぜ‥‥クソ兄貴‥‥」
「まぁまぁ‥‥落ち着けよシリウス。」
どうやら何かあったらしい、寝ている時に叫び声の様な物が聞こえたから、きっと何か関係しているのだろう、ミューラさんに何があったか聞いてみると。
「アランちゃん、放っておきなさい、それよりも今日は、私とカールと一緒に、貴女の住んでいた孤児院に行ってみたいと思うんだけど、どう?」
「え? いいんですか!? ぜひ一緒に行きたいです!」
「ふふっ、じゃあ一緒に行きましょうね、カレンも一緒に行く?」
「うん~!」
今日はカール家の人達と一緒に、私の育った孤児院に行くことになった、お母さん元気にしてるかなぁ? また会えると思うと楽しみだ。
「昼頃に向かうからね、それまでにお洗濯とお買い物をしましょうか?」
「お買い物‥‥?」
「そう、アランちゃんのお洋服を買いに行きましょう! シリウス君に買ってもらった服も可愛いけれど、今日はちょっと特別な日になると思うから、おめかししてみない?」
「おめかし‥‥はい! してみたいです!」
私は今日、初めてちゃんとしたお化粧というものが出来るようだ。
憧れていた事を2つも一気に出来るなんて、なんて運のいい日なんだろう?
「シリウスとアーロンはどうする?」
「‥‥行くよ。」
「俺も行っていいんですか?」
「良いさ、今日はめでたい日になる。」
「そうかよ‥‥俺は最悪だよ。でもアランが良いなら良いさ。」
「ふぅ‥‥シリウス、ガキじゃないんだぞもう。よく考えてみろ、相手は子供だ。」
「わかってる、20になったら正式に頼み込みに行くさ。」
「あぁ、それまで我慢しておけ。」
「何を我慢するの?」
3人の男達が話している所に飲み物を持っていくと、何を我慢するとかなんとかと聞こえたので気になり聞いてみると。
何でもないよとシリウスは言い、カールさんは気にしなくていいよ、コイツは今心の病を何とか克服しようとしているだけだからと言う。
アーロンさんは、まぁ、アランちゃんが気にすることじゃないよ、男の悩みって奴かな。
そう言ってはぐらかされた。
「ふふっ、アランちゃん、あんまり男だけの話に首を突っ込むと後が大変よ?」
「‥‥?? わかりました」
ふんわりと香る優しい匂い、ミューラさんに抱きしめられた。あったかい。
「さて、それじゃあ、良い時間だし、お出かけしましょう。カール達は家で待ってて? おめかしして戻ってくるから。」
「わかった、気をつけてな。カレンはどうする?」
「パパと居るぅ~」
「そうか、じゃあパパ達と一緒に待ってようか? ゆっくり楽しんできてくれ二人とも」
男達に見送られて、まずは洋服店に入る、中に広がっていたのはキラキラとした照明と色鮮やかでオシャレな服達。
そして綺麗な女性店員達だ。
「いらっしゃいませ~、あら! ミューラさんじゃないですかぁ!! お久し振りですぅ!!」
「こんにちは~! 久しぶりぃ!! 今日は私じゃなくて、この子の服を買いに来たの!」
「まぁっ‥‥」
ミューラさんに話しかけてきたのは如何にもベテランという感じのおばさんで、このお店の店長さんらしい人。友達のように話している所を見ると、長い付き合いのようだ。
ひとしきり話し終えると私の方を見て、ホゥっと溜息をつき、口を開いた。
「綺麗な銀髪と青い目‥‥素敵ねぇ。」
「そうでしょう? 自慢の娘よ?」
「えぇ!? 2人目!? うそぉ!!」
「ほんとよぉ!?」
最初にミューラさんと出会った時と同じように抱きしめられた。胸が大きくて呼吸が出来ない‥‥苦しい。
「今日はとびきりの貴女にしてあげるわ!! 任せなさいミューラさん!!」
「任せるわ!!」
「あ、あのお金私持ってないで‥‥」
「良いの良いの、実はね?」
最新のオシャレ服を作り上げた店長さんはモデルが欲しいらしく、私ぐらいの子を探していたらしい、それをここに来る前に聞いてたミューラさんが私をここに連れて来たのが今日のお買い物の裏話だそうだ。
「実の所、結構カールからお金を預かって来たんだけど、リプトンさんが言うには、全部お店持ちらしいよ?」
「え!? こんな高そうな所で!?」
「そうそう、だから遠慮なくオシャレしてきて?」
「そうよアランさん! 任せて頂戴!! 今日、貴女に来てもらう服は私が作り上げた新しい物なの、それでね? 貴女に着て欲しいのよ! だからおねがーい!!」
さらに追加の裏話で、この服を着て街を歩いてみて欲しいとのことだ。
「わかりました、よろしくお願いします!」
「はい! ではミューラさん、アランさんをお借りしまーす! あちらで紅茶でも飲みながらお待ちください!」
「はーい、いってらっしゃいアランちゃん!」
そして2時間ほど経ち‥‥
「まぁ!!」
「ふふふっ‥‥どうでしょうミューラさん‥‥!?」
「‥‥ビューティフォォー!!!」
ミューラさんが右手を天に向け掲げ、止まった。
その顔は、威風堂々としていた。
金持ちの行く店は、もう決まってる、
それは高級店ではなく!!
良さげな洒落てる良い所だ!!




