AUM(仮)
今は亡き某山無県の山間部 そこに尊師に選ばれた人物がいた。名を朝原翔子という。
尊師と呼ばれる人物は生前に宿敵である草加学会に対して同胞たる正大師達と共に戦った。だが、正大師らはそのほとんどが戦死し尊師自らも学会長である池沼田大作との戦いによって戦死したのである。また、池沼田自身もこの時の戦傷により三ヶ月後に死亡している。
草加学会は池沼田を失ったと言えど後継者と組織が無事だったが為に再編は障害なく終了した。しかし尊師一派はそう上手くもいかず拠点は潰され後継者もいない上に草加の追撃もあり仲間達は散り散りに逃げる他なかった。
こうして尊師一派は滅亡し、草加学会が日の本を制したのである。
だが、これで終わりではなかった。
尊師は甦ったのだ。
翔子は草加領内の一般的な家庭で育った。しかし、父は尊師一派との戦いで戦死し、後を追うように母も病で亡くなった。その後は父の友人に引き取られ草加の為父母の仇の為に勉学に励んだが、自分の女性っぽい名前と草加の敵である尊師に名前が似ている為に苛めにあった。だが、翔子は挫けずに勉学に励みついには最難関大学とされる国立草加大学に入学したのである。
しかし、入学直後に起きた信濃町の戦いにおいて尊師を討ち取ったという報せを聞いた翔子は今までの努力が無駄になったと考え自暴自棄になった。翔子は自らの手で尊師を討ちたかったのだ。翔子はすぐさま学校を辞めその足で尊師一派の本拠地である山無に向かった。尊師一派を殲滅する為に。しかし、翔子は道中において尊師の亡霊に乗っ取られたのである。
こうして尊師の戦いが再び始まるのである。