表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/20

story No.13

通勤や帰宅中は何人もの記者に話しかけられた。

「いつから交際してるんですか?」

「結婚の話はありますか?」

無視してもしつこい人ばかりだった。


家に着くと、愛美も疲れきっていた。

「何なのよ!?あの記者!邪魔くさいわね!プライベートに介入すんなっつーの!」


藤崎君が引っ越す朝、見送りたいとメールしたのに、いつ写真とられてもおかしくない。と断られてしまった。

結局、しばらく会えないまま行ってしまった。


メールや電話はしていたが、会えないということがこんなにつらいとは思わなかった…


インターネットでは恭ピーファンがブログやコミュニティサイトで私を批判した。

「鈴城杏里とお似合い」

「隣人とかあり得ない」

などなど、批判中傷が絶えなかった。


そして、藤崎君は視聴率が良かった鈴城杏里とのドラマのシーズン2が始まった。

しかし、鈴城杏里との熱愛疑惑がより視聴率をあげていたこともあり、恭ピーの一般人との熱愛発覚で視聴率は大幅に下がった。

『私のせいで…』

藤崎君に罪悪感を感じた。

もし私の存在がなかったら、大人気ドラマのシーズン2である。視聴率低迷なんてありえなかった。




藤崎君が引っ越してから1週間が経った。

そんなとき、

「梨子!これ見て!」

それは例の週刊紙だった。

見出しは

『恭ピー、二股か!?鈴城杏里との路チュー写真入手!』と書いてあった。

『二股?』

ページを開くと、

藤崎君と鈴城杏里のキス写真が載っていた。

二人とも本人に間違いなかった。

『…どういうこと?』

すぐに藤崎君に電話した。

『もしもし!藤崎君?週刊紙、』

「梨子ちゃん、ちがうよ。あれは…」

「恭介、誰と電話?」

電話のむこうから、女の人の声がした。

「今、しゃべるな!

もしもし、梨子ちゃん?あれは」

『そこに鈴城杏里さんいるの?』

「えっ、いや、あの…」

『正直に言って!』

「…うん、いる。」

『…そう。なんでもない。バイバイ』

と言って一方的に電話を切ってしまった。


「…どうしたの?梨子」

不安そうに愛美が言った。

『電話の向こうにね、鈴城杏里がいたの』

「えっ?今、恭ピーと一緒にいるってこと?

『…うん』

「撮影だよ、きっと。まだ仕事場にいるんなら一緒にいてもおかしくないし…」

愛美はそう言ってくれた。

でも、私にはそうは思えなかった。

藤崎君とどんどん距離が離れて行く気がした。

鈴城杏里が藤崎君を「恭介」と呼んでいたことは愛美には言えなかった。



二股疑惑で、藤崎君を追う記者はますます増えた。

もっと藤崎君に会えなくなっちゃった。

電話をした日以来、藤崎君を信じることは出来なくなっていた。

電話が鳴った。

藤崎君だった。

出ようと手に取ったが、また置いた。

出れなかった。

何を話せばいいか分からなかったし、

また鈴城杏里がそばにいるんじゃないかと怖かった。

藤崎君はやっぱりアイドルだ。

もともと住む世界が違うのだ。

私と付き合ってること自体おかしいのかもしれない…

精神的に追い詰められていた私は

そんな風に思った。


            つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ