story No.12
記事が出て2日がたった。
今日、藤崎君が帰ってくる。
世間のkiss-jファンやマスコミは例の一般人を探し回っていた。
マンションの住人の中にはは私たちが二人で歩いているところを目撃した人もいて、バレるのも時間の問題だった。
もし、藤崎君の彼女が私ってバレたらどうなるんだろう…?
スキャンダルになって、ファンからバッシングを受けるんだろうか。
あれこれ考えてみたが、藤崎君を信じていたので不安も減った。
藤崎君からメールが来た。
「今、家に着いた。だけど、マスコミが見張ってるからしばらく会えない」
という内容だった。
私は「分かった」と返信したが、内心寂しかった。
愛美も気をつかっているのか、藤崎君やkiss-jの話題はしなくなった。
私が仕事へ行こうとしたときだった。
一人の見知らぬ男が話かけてきた。
「708号室の白石さんですよね?」
『何か?』
「隣の住人のことについて何か知っていますか?」
『知りません。急いでいるので』
そのまま通りすぎた。
「隣人なのに知らないんですか?」
背後から大きな声が聞こえたが無視した。
逆に怪しまれたかな…?
マスコミに気を付けろとは言われたが、切り返し方を教わってなかった。
愛美はマスコミに「同居している人とはどういう関係ですか?」
と聞かれたそうだ。
完全に私のことを調べている。
あとは証拠写真だけ。
そんなところだった。
アイドルと付き合う。
覚悟してたけど、先が思いやられる。
記事が出て一週間。
ついにあの週刊紙の見出しは
『Kiss-j恭ピー驚愕事実!恋人はお隣さん!!』
バレた。
愛美と二人でそう思った。
その頃、kiss-jの事務所が動き出した。
藤崎君からメールが来た。
「事務所の命令で明日引っ越すことになった」
引っ越し先は練馬区だった。
『もう、会えないかも…』
「大丈夫よ。事務所が引っ越しさせるってことは、恭ピーは事務所に交際を認める発言をしたってことじゃん!」
『なるほどー』
「でしょ?」
週刊紙をよく読んでみると、藤崎君の熱愛疑惑は珍しく、マスコミも注目しているようだ。
影ではずっと、ドラマで共演した人気女優の鈴城杏里が彼女だと囁かれていたのだが、予想だにしなかった一般人しかも隣の住人となると騒ぎがおさまるまで時間がかかりそうだ。
「はー。」
気がつくと、ため息が漏れていた。
つづく。




