story No.10
仲直りしたいと思いつつも、愛美にあんなこと言われては謝るに謝れない。
愛美とは連絡も取れず、どうしていいか分からない日々が続いた。
テーブルの上に置いてあった、愛美の財布は、いつの間にか無くなっていた。
私が仕事でいない間、合鍵を使って取りに来たのだろう。
気分が晴れなかった。
それに追い討ちをかけるように、私の部下である皆森くんがヘマをし、イナブ株式会社との契約を白紙に戻され、新企画がダメになった。
会社への損害は大きく、危うく責任をとらさせれるところだった。
会社帰り、晩御飯を作る気になれなかった私はコンビニに寄った。
そぼろ弁当とシュークリーム買うと、
「あれ、弁当なんて珍しいな」
と話かけられた。見上げると藤崎君だった。
『ごはん作る気になれなくて…』
「テンション低いなー。どうかしたか?」
取り敢えず、藤崎君の部屋で一緒に弁当をたべることにした。
愛美とケンカしたこと、出ていったこと。
部下がヘマしたこと、企画がダメになったこと。
全部話すと涙が出てきた。
『私、内心どこか愛美のこと見下してたのかもしれない。もう、友達失格だよ…』
「そんな風に思い込んで、ほんとに友達に戻れなくなってもいいのか?仲直りしたいなら、素直に謝るにしかねぇだろ?」
『そんなこと言ったって、愛美とは連絡とれないし、どこにいるかも分かんない…』
「決まってんだろ!?優馬んとこだよ!」
優さまからの受信メールを見せながら言った。
『えっ?優さまのとこ!?』
「あぁ、優馬は姉ちゃんと住んでるから」
『そうなんだー。ねぇ、優さまに梨子に謝りたいから会いたいんだけどって伝えてってメールしてくれない?』
「分かった」
しばらくして返信が来た。
「会いたくないって」
メールを見ると「愛美ちゃん会いたくないって言ってる」と書いてあった。
『どうして…』
このままじゃ仲直り出来ないかも…
裏切れたようで、寂しくなった。
今日は土曜だ。
一日中、一人で部屋にいると、より寂しさを感じる。
買い物に行こうと部屋を出ると、優さまに会った。
『優さま!』
「よっ!酔っ払い」
『愛美は?』
「知らねぇ。さっき出てった」
『どこに?』
「それ知ってたらストーカー」
『…どうして愛美は会いたくないって言ったんでしょうか?』
「会ってどうすんの?」
『謝るに決まってるじゃない!』
「それだけ?」
『えっ?』
「梨子ちゃんさぁ、頭良くて仕事も出来ることはすごいけど、それで高飛車になって周りが見えなくなるのは違うよ。何でも自分一人の力で出来てるって思うなよ」
『……どういう、ことですか?』
「それが分からないと、仲直りしてもまた衝突する。そう愛美ちゃんは思ってるから会えないんだと思う。」
『待って、どういうこと!?』
「謝る以前に他に言うことがあるだろ?」
『他に?』
「お前頭良いんだから自分で考えろっ。
じゃ!」
優さまは藤崎君の部屋へと消えた行った。
つづく




