傷つく歌たち
掲載日:2026/06/18
人魚の夢をみました
海に溶け込みそうな綺麗な歌声で
すこしだけ悲しそうな歌を
傷つきながら歌っていると想いました
もしわたしのやさしさに
なにかすこしでも意味か価値があるのなら
やさしいキスをしてあげたいなって
笑って想っていたのは
神さまみたいな傲慢さでした
夢の中の人魚だけが
傷つきながら歌を歌ってゆけるのです
夜空無数の星々の煌めきが音を立て
世界を救う新しい歌を歌ったとしても
わたしはそのまえに聴いた青色の
切ない人魚の歌を信じてしまったのでした
歌いながら涙を流している人魚の
横顔が消え入りそうな綺麗さだと
胸の一番奥の奥まで
染み込んでしまった傷だらけの歌詞は
夜の巷で浮かれているわたしの脳髄を
バッキュ─────ンッ!!!
て
撃ち抜いたのです
まるで死んでもいい
って気に
わたしの夢さえ染めてしまったのです




