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精霊達の箱庭  作者: ヒヨコの小説家
1章 大きな過ち、小さな一歩

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第九話 残された子供②

 フィーシは本当に変わった奴らしい、マイペースだし人の目を見もしない。挙げ句に会ったばかりの相手を笑うとは。


 僕は、少し嫌になりながらも自分の役目を果たそうと歩み寄った。

レオ:「フィーシは何が好きなんだ?いつも何して遊んでる?」顔は引き攣ってるかもしれないが、こいつはどうせ見ないしどうでも良い。


 フィーシは一瞬僕の顔を見て、応えた。

フィーシ:「お話しするのが好きだよ〜、友達の話を聞いたり僕の知らない事を教えてもらったり。」


 "こいつに友達居るのか…?居るならそいつが見守りしたり、一緒に遊べば良くないか…?"帰りたい気持ちと疑問を呑み込み、何か良い話は…と考え始めた。


フィーシ:「レオ君は精霊って知ってる?僕達を見守ってくれたり、支えてくれたり、一緒に戦ってくれたりするんだけど」

 相変わらず、どこを見てるんだか分からない目の前の相手にレオは答えた。

レオ:「知ってるけど、この島じゃ意味無いだろ〜。土の精霊様はずっと遠くだし、魔法もほとんど全く使えない」


 僕が6歳…こいつは3歳くらいの時か…暗黒大陸から逃げ出す時に精霊との繋がりは絶たれ、魔法が使えなくなった。

 本当の原因は分からないが、恐らく距離が遠過ぎるのだろう…。


フィーシ:「あー…そっか…だから皆精霊様の話をあまりしないんだね〜」

 こいつは何かに納得した様に頷き、また虚空を眺め始めた。


レオ:「フィーシは精霊様が好きなのか?」

 そういえば、聞いた覚えがある。逃げ出す馬車列の中で、泣かず、喚かず、精霊様の事を聞いた子供がいた事を。

フィーシ:「好きだよ〜。みんな友達。」

 当たり前の様に答えやがった。


 レオは少し苛立ちを隠し切れなくなってきた。初対面で泣き虫呼ばわりした事。いちいち何も無い場所を見る子守り相手。その上、精霊様がみんな友達?ならなんで土の精霊様は僕達を…幼馴染を…。

 土の魔力さえあれば、僕達はオークなんかに…!


 寝る事も出来ず疲れ果てた心は掻き乱され、つい手が出てしまった。ムカついた相手をベッドに押し倒し胸倉を掴んでしまった。

 フィーシの驚く顔、高い体温、呼吸まで感じ取れた。

 登った血は下り始め、怯える顔に罪悪感を抱き始めた頃、綺麗な翠の瞳が光っているのが見えた。


 いや、フィーシの目が光っているんじゃない。何かが映り込んでいる…?

 僕はその光の元である自分の後ろ…。

 振り返ると目が合った。いや、光はあるが目は無い。ただぼんやり光っている白い光の塊は、こちらに視線を向けている気がする。


"何しているの?"

 誰かの声が聞こえた。慌てて扉を見るがフィーシの母親の姿は無い。当然フィーシでも無い…。


 光の塊を見ようと再び顔を上げると。さっきより光の塊は近付いてきており、驚いてフィーシから手を離しベッドから落ちた。


 落ちた衝撃から立ち直るとすぐ、フィーシの手を引き部屋から飛び出した。婦人の姿も無く、家から飛び出し助けを求めようとした。


 家から出ようとしたところで、我に帰ったフィーシが手を振り回し叫んだ。

フィーシ:「痛いよ!離してよっ! 急にどうしたの?!おかしいよ!」


 無理矢理にでも手を掴み、フィーシと自分を危険から遠ざけようとした時、腕に熱い何かが当たった。

 また、振り返ってしまった…。身体は硬直し、血の気は引き、視界のボヤけに昨日の光景が見えた気がした。



 だが見えたのは、傷付き血が垂れる自分の腕、フィーシの涙を浮かべた顔、フィーシの手で抑えられ、暴れる光の塊だった。

 修正しました。(主として呼称や表現)

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