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精霊達の箱庭  作者: ヒヨコの小説家
1章 大きな過ち、小さな一歩

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第七話 Bランク冒険者パーティー④

 冒険者達の朝は早い、まだ日が昇る前に全員が起きて食事を済ませると、装備の点検・消耗品の補充・家の外での鍛錬が始まる。


 戦士とレンジャーは軽い打ち合いをした後、それぞれ素振りと早駆けを行い身体を温めていく。

 魔術師は、まだ回復しきっていない魔力を感じつつ小規模の魔法陣を足下に展開・解除を繰り返す。

 弓使いはオークから回収した矢の内、使えるもの・直せるもの・ダメになってしまったものを分け、処置していく。


 そうやって各自のルーティンをこなしていると空は明るくなり、村長が数名の村人と共に向かって来ているのが見えた。

村長:「皆さんお早いお目覚めで。朝食等をご用意いたしましたが、いかがいたしますか?」

戦士:「準備が整い次第すぐに森に向かいますので、道中で頂けるものがあれば非常に助かります」


 村長が一人の村人に目をやると、焼き立てのパンの香りがふわっと香る籠を戦士に手渡した。

村長:「大したお礼も出来ませんで、申し訳ない。せめてこの村に滞在される間の身の回りのお世話などはお任せください。」


戦士:「お心遣いありがとうございます。」

 大喜びの仲間の女性二人を尻目に、戦士とレンジャーは深く頭を下げた。それを見てその場に居た全員が頭を下げた。


 出発の準備を整え、まだ温かい籠を持ちながら戦士はお見送りに来た村長に言った。

戦士:「戻って来ましたら、森の様子や私達が来た理由をお話しいたします。」

村長:「皆様の御無事をお祈りいたしております。」

 村長は、出入り口までに合流した村人と共に頭を下げ、手を振って見送った。


 出発してすぐ食べたいパンを奪い合い、一番美味しそうに焼けたパンを見事勝ち取った魔術師を横目に、自分もパンを齧りながら戦士は語り始めた。

戦士:「昨日オークの集落には食料が少なかった上、集落の規模に対しての戦士達の数は普通だった。となると縄張り争い等の戦闘が原因では無く、森の食料の減少が考えられ、口減しの可能性が挙げられる。」

 森の食料の減少理由は色々考えられるが、今はそれに言及していっても仕方ない。


レンジャー:「腹の空かせたオークの群れや行き場の無い"はぐれ"が、森の外に出て来る…という事ですか」

 あまり嬉しく無い状況に眉を顰めつつ、思っていたより美味しいパンを舌と鼻で楽しむレンジャー。


魔術師:「平原の掃除の次は、オークの足止めかー。元の大陸を出てから暇が全然無いねー。まぁあの村に滞在出来るならいっか?」

 油やお湯、美味しいパンと至れり尽くせりの待遇に大満足の魔術師の足取りは軽い。


 弓使いは頭の中で今後必要になる矢や毒の量の心配をしつつ、ドライフルーツ入りのパンを頬張っていた。

 あっという間に空になった籠に重石を入れ、外柵の近くに置き、昨日の集落を目指して一行は歩んだ。


 集落に近付いていくと、道中のあちこちに血が付着しており、酷い有様だった。

 集落の中は更にひどい有り様で、食糧庫は空。特に赤ん坊や子供は骨も残らず食い荒らされ、ところどころゴブリンの死体や狼の死体があった。


 昨日の内に家を全て探索しておいて良かったと思いながら、死体の処分に困った。1箇所にまとめても翌日には引っ張り回され、腐臭を撒くだろう。森の食料を焼いて減らすのも、勿体無い。


 想像以上の森の"餓え"に幾分恐怖しながら、方針を決めた戦士は全員を集めた。

戦士:「遺品の探索は辞めにしよう、オークの腹は大体が空になってる。弔いも残念ながらすぐに荒らされてしまうだろう。ともすれば村の安全の為に村近くの森の調査を行い、"はぐれ"の討伐を行う。」


 全員は再びこの地の魂の安寧を祈り、集落から離れていった。しばらくすると、集落はまた騒がしくなり始めた。

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