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精霊達の箱庭  作者: ヒヨコの小説家
1章 大きな過ち、小さな一歩

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第六話 Bランク冒険者パーティー③

 森の中でオークの集落を見つけ、戦闘部隊を倒した冒険者パーティーは、レンジャーを周辺警戒に残しつつ進む。


 毒矢で首を射抜かれたものは瀕死、目を射抜かれたものも衰弱していた為、これ以上苦しまない様に戦士が止めを刺した。


 戦闘に参加していたオークもだが、この集落には狼の毛皮がちらほらあるのが家屋の探索中に分かった。肉や果物といったものがまとめられていたりしたが、オークの図体を考えれば大した量では無い…。


 警戒を解かず、村の子供の遺品を探す為に三人がまとまって家屋を一つ一つ調べていくと、弱ったオークや子供のオークがいる家が見つかった。

 必要とはいえ、ほとんど抵抗も出来ない相手を斬るのは本当に嫌だと思いながら、戦士が処分をしていく。逃げ出そうとしても入り口には弓使いが居て即座に射抜かれる。


 泣きながら母親らしきオークに縋りつく子供を殺す時は、苦しませない様に剣を振る手が震えそうになる。

 いつ武器を隠し持った個体が最後の抵抗をしてくるか分からないのだ、心を殺して剣で薙ぐ。


 全ての家で生き残りを処分し軽い捜索をした結果、遺品らしきものは見当たらなかった。

 戦士がどっと疲れた顔をしてその場に座り込むのを、警戒を解いた魔術師が手助けし汗を拭う。


 レンジャーに手で合図をし、全員が集まってから戦士は口を開いた。

戦士:「腹を捌いて中を確認するのは無理だな…時間も体力も足りない、オーク達を弔うのを含めて明日やろう」


 誰も異論は挟まなかった。空は暗く、森の中は更に暗い。こちらを伺う様な視線も時間が経つにつれ増えてきている。血の匂いか火の明るさに釣られたのだろう。


 ここで夜を明かす事も考えたが、帰路に就く事にした。幸い村まではそんなに離れていないし、何より心も身体も休める場所に早く行きたかったのだ。

 四人は集落に居たオークと子供に祈りを捧げ、その場を後にした。


 森は来た時よりかなり暗くなり、少し騒がしくなっていた。レンジャーが辺りを見渡し、森に住むゴブリンが木の上を移動している音だと言った。


 ゴブリンは基本的に弱く臆病で、自分より弱いものしか襲わない。冒険者パーティーが襲われる事は無い。だが万一に備えて森を抜けるまでは警戒を緩めなかった。


 農村では壊れた外柵を応急修理し、警戒の為に火を多く掲げられていた。

 冒険者パーティーは、火が多く焚かれている出入り口に回り込み中に入れてもらった。


 中に入りオークの集落を壊滅させた事を戦士が伝えると、村人達は感謝と安堵の声を漏らした。

 一組の夫婦が駆け寄って来た時、戦士は首を横に振る事しか出来なかった。


 特に魔術師が疲れ切った様子を見せていると、村長らしき老人が村の奥に案内してくれ、油と温かい湯そして食事を持ってきてくれた。


 一行は感謝の意を伝えてから、身体の汚れを多少払い案内してもらった家屋に入った。

 中では暖が焚かれ、村の柵の周りに置いて来た荷物などがまとめられていた。


 男女に分かれて装備を外し、手早く手入れを済ませると、用意されていたお湯と布で身体を拭いた。

 精神的疲労と身体的疲労で各々食事が済むまで言葉は出ず、冒険者達は軽い挨拶のみ済ませ深い眠りについた。


 帰って来なかった子供の夫婦と友人、そして見張り番の心が張り裂けるような嗚咽は、四人に届かず済んだ。

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