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精霊達の箱庭  作者: ヒヨコの小説家
1章 大きな過ち、小さな一歩

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第二十二話 新たな地獄-暗黒大陸誕生篇⑦

 我々が取り押さえられた後、装置から誰かが出て来た。

 リザードマンか…?


 私と彼女は取り押さえられたまま、見守っていた。


 次の瞬間、装置付近の人間が即死した。

 …モンスターだ。戦略兵器級の魔力を全て吸い尽くし、死霊モンスターとして生まれたのだ。


 何をしたのかすら見えない。圧倒的な力。戦える者が次々と向かい、大した抵抗も出来ずに死ぬ。


 死霊モンスターは殺した側からモンスターを生み出し、あっという間にゾンビの軍団が生まれた。


死霊モンスター:「逃げようとすれば殺す。余計な事をしても殺す。許可無く話せば殺す。」

 淡々と言葉を並べ、ゾンビ達で出入り口を塞ぐ。


 一体何を生み出してしまったのだろうか…。どれだけ高位の…と考えていると、死霊モンスターが近付いてきた。

 一歩近付く度に、死の恐怖が湧き起こる。

 彼女もまた震えているのだろう。ガチガチと歯が当たる音が聞こえてくる。


死霊モンスター:「この装置を直せるのは誰だ?」

 エルピダは話さなかった。話せば死霊モンスターが活用するだけに違いない。


死霊モンスター:「そうか、お前か」

 死霊モンスターはエルピダの拘束を解き、何らかの魔術を行使した。


 次の瞬間、私の意識は刈り取られた。




--(骨の王の視点)--

 …?

 ここはどこだ、目の前には何らかの装置がある。

 人やリザードマンの身体なんぞ入れてどうするのか。


死霊モンスター:「ようこそ。我が同胞よ」

 後ろから声を掛けられると、迷わず骨の王は最上位の死霊モンスターにこうべを垂れた。


 リッチ・キングに連れられ、拠点の中枢に迎えられた。骨の王たる我に何を求めるのか。


 中枢には結晶の様なものがあった。中に誰か人が眠っている…?


リッチ・キング:「これを守れ、守り抜け」

 我らの支配者に従い。我が力を振るい始めた。


 大量のスケルトン,スケルトン・ナイト,スケルトン・キャバリエを召喚し。自分と共に防衛に就かせる。


スケルトン・キング:「こちらの者達を頂いても?」

 屍肉付きのゾンビ共を指差したところ。支配者は僅かに首を縦に振った。


 即座に屍肉を魔力に変換し、各々に吸収させていく。最低限、盾程度には役に立つだろう。


 死の支配者と共に、先程の装置に赴き何かを待った。


 装置に魔力が満ちた次の瞬間、死の支配者は装置の魔力を用いて大規模魔術を展開した。

 「不死者の楽園」(アンデッドパラダイス)


 魔力の波が空間に広がっていき、死霊達の力が強まる。


 次々集まってくる死霊モンスターとリッチ達…どうやらここは我々の世界の様だ。



 骨の王としてやる事は防衛、だが守るより攻めた方が早い場合もある。

 我はスケルトンでさえあれば全てを影響下における為、集まった死霊モンスター達をスケルトンに変えていった。


 一部有能そうなスケルトンも居たが、本当に有能なら生き残るだろう。


 軍隊を組織し、この拠点を中心に電撃戦を始めた。

 "遠隔指示"の魔術を行使し、スケルトン達を役割に分けて進撃させる。

 不死者の楽園の影響下では、死者は何もせずとも同胞に変わる。


 強化されていく我が軍に対して敵は散り散りに逃げるのみ、敵が防衛線を構築しようが一点を突破し、後は後方も前方も押し潰せば良い。


 混乱でもしているのか、人間もリザードマンも動きが悪い。私達が居るのにリザードマンは人間を追撃する始末…助かるから勝手にしたら良い。


 偶に猛者も居るが、大軍の前では無力に等しい。


 私達に勝てる訳が無いのだ。


 楽な仕事だな。……仕事…?


 装置を見に行った。稼働している…。

 結晶を見に行った。彼女が眠っている…。


 自分の手を見た、骨の手だ…。

 …私達が今攻撃しているのは…?リザードマン…と…人間……。


 死の支配者は思ったより早かったな。と言わんばかりの目を向けてきていた。


 用済みと言わんばかりに、骨達に連れ出された。私の命令を無視する骨達に。

 新しい王でも作って、指示権を移したのだろう。


 基地を守る強靭な部隊の前に、私はその場を後にするしかなかった。


 彼女を救う方法は無い。装置を壊す手段は無い。涙は出ない。

 地獄を壊したと思ったら更なる地獄が、私を包み込んでいた。

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