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精霊達の箱庭  作者: ヒヨコの小説家
1章 大きな過ち、小さな一歩

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第十七話 とある研究者-暗黒大陸誕生篇②

 私が作った魔力回収装置には、致命的な問題点がある。"魂を崩壊させて"魔力を抽出する点だ。


 この問題が世間や王家・教会などに知られれば、禁止令を喰らってもおかしくは無い。早急に改善すべき課題を並べるなら以下だろう。


 第一に外聞が悪い。知人や祖先、家族ひいては自分の魂の安寧を妨げて精霊になる道すら奪う装置を誰が望む?

 第二に失敗時には死霊モンスターが湧く。ほぼほぼ低級とは言え、この装置が近所にあるだけでいつ死霊モンスターが襲って来るか分からないのだ。

 第三に精霊達の反応だ、この装置は精霊の発生を結果的に防いでしまう。そんなものに精霊達が協力する筈は無いし、我々の信仰の面からも忌避されるものだ。


 第一の課題は単純だ、モンスターの魂でも使えば良い。装置の中で殺して魂を確保する等して、それ以外では起動しない様にしたら良いのだ、

 第二の課題は、精度の向上や死霊モンスター誕生後即対処可能な装置の開発でなんとかなるだろう。

 第三の課題は簡単には糸口が見えない…。とりあえず一と二を解決させよう。


 自分の研究機関に、理論と設計に関わる資料と原理的な完成品を提出し、課題点と共に提出した。

 ①箱の中に魂を捕獲し周囲の魔力を吸ってもらう⇨②霧散後に精霊と魔力蓄積装置に繋がる扉を開けて魔力を蓄積してもらう。⇨③再び扉を閉めて①に戻る。


 このくらい単純な方が改良や事故が少なくて良い。魂の捕獲も、中に入れさえすれば箱を死霊の力が強いもので囲めば良いだけだった。


 倫理的な問題点は、小動物の利用やモンスターなどで済ませたら多少改善されるので、死霊モンスターへの対処を含めて部屋クラスの箱の装置が欲しかった。


 研究機関の決断は早いもので、安全性の重視や使用する魂の種類、あくまでも実験的運用と改善に集中し試行回数を増やし過ぎてはいけない事を条件に、研究チームが発足された。


 私はチームリーダーに抜擢され、鼻高々だった。副リーダーは熟練の研究者であり、私の補佐や監視が目的だろう。


 大型の箱を作り、中で小動物を殺してから箱をしばらく開けておいてから閉めて、装置を稼働させようとしても動かなかった。

 何度繰り返しても同様の結果が得られた為、どうやら魂は死霊の力に囲まれている状況が嫌いらしい。


 これなら余計な魂が犠牲になる事を防げるし、第一の課題はクリアされたも同然だ。

 第二の課題もそこまで問題では無かった、死霊モンスターになる場合、箱の内部または周辺以外から湧き出る事は無かった為だ。


 これなら箱を更に大きい箱で囲んで討伐チームを派遣したり、処理する装置でも組み込んで安全に対処したら良い。


 第三の課題は、我々チームの眼前に大きく立ちはだかった。どうしても魂の喪失は防げなかった…。

 そもそも何故死霊モンスターになる前に魂は魔力を吸収するのだ?我々人間は自分の身体以外の魔力を直接扱う事は出来ないし、自分の魔力を回復する事すら時間がかかる。


 何度も実験を進めていくと、吸う量が毎回違う事に気付いた。特に量がおかしい、同じ体格で年齢も同じ小動物でも魔力を吸おうとする量が全然違う。


 箱の中でモンスター化する個体、同条件でしない個体の差はなんだ…?魂に差でもあるのか?

 装置の中の魔力が空になると吸えなくなるのだろうか、連続で実験した時などは極端にモンスター化の発生率が下がった。


 行き詰まって休憩室で休憩していると、噂話が耳に届いた。

 どうやらどこかの研究チームが作成中の月光から魔力を抽出する装置は、魔力量こそ少ないが好調らしい。大型化や効率化が進めばかなり現実的な運用が可能な様だ…。


 私は再び自分の才能が嫌になってきた。何かを犠牲にする装置としない装置、選ぶならどちらかなど明白だ。

 修正点:死霊系モンスター⇨死霊モンスターに統一

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