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横槍

戯曲のような、地の文無しで想像のできる会話をつくってみたかった。


「鬱々としてる時間ほど幸せなものはないですよ。いやね、人なんて欲するものはどんどん高次元になっちゃってぼんやりしてくるんだけれど、夢っていうのはなんでが逆さまに、ずっと遠くにぼうっとあるはずのが、どんどん具体的に近づいてきちまう。最後は欲と夢が一緒になっちまって、肩と手がうごかねえから孫の手が欲しいってもんだ。それに比べりゃ、鬱々としてる時は良いもんですねえ。手前にはなんもなくて、その夢っちゅうのも、虹みたいに届かねえんだから。でも、そいつを掴んじまったお終いです。そいつを掴んじまうとパッと消えちまう。今度からは呼べばなんでも来るさ。つまんねえんだ、だから死にたくなる。でも安心、そん頃にはとっくにヨボヨボで、呼んでも看護婦しかきやしねえんだから。だから、存分に鬱々しねえと」


「ええ、アンタ、今度は何に靡いちゃったんだい?」


「語りてえじゃねえか」


「アンタが言ってんのは、役に立たない智慧ばっかりだねえ。言葉にも毒気が付いちまったんかい?」


「うるせえ、元々だい、馬鹿野郎。智慧だって屁理屈だってなんだってかまわん。いっそ智慧だけでやってってな、コイツを捏ねくり回して、賢者だって騙くらかしてやるんだよ」

教訓らしいことほど、簡単に幾らでも量産できるものはない。

ほらね、とってもお手軽だ。

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