強気で弱気な……
「あたしはずっと前からアンタの事が好きだったの!」
突然の告白。
アイツからすればそうなんだろうけど、あたしはずっと前から考えていた。
あたしの幼馴染でお隣さんの男の子。
肌は白くて力も無い。もしかしたら、あたしの方が強いんじゃないのかな?
そして喧嘩なんかもしなくて、どこまでも平和主義な男の子。
そんな、とても軟弱なコイツにあたしは恋をしてしまった。
こんな冴えない男の何処がいいかなんて分からない。
だけど、気が付いたらコイツを目で追っていた。
コイツの事を考えない日なんてなかった。
それほどまでに、あたしはコイツを好きになっていた。
だからあたしは告白をした。
自分の気持ちをぶつけた。
「えっと……」
突然告白されたコイツはやっぱり驚いた表情をしていた。
だって、いつも辛くあたっていたからまさか告白されるとは思っていなかっただろう。
あたしだって告白するなんて思わなかった。
だけど、もう我慢が出来なかったのよ。
好き過ぎる気持ちが大きくなってしまったから……
「ねぇ、返事を聞かせて。あたしは、あんたが大好きなの! あんたは、あたしの事どう想っての?」
答えを聞くのは怖い。
だけど、答えを聞かないと先に進む事が出来ない。
怖いけど、今すぐにこの場から逃げ出したいけど……
「ぼ、僕は……」
「…………」
一瞬の沈黙が怖い。
一体今、何を考えているのかしら? もしかして、断りの言葉でも考えて……て、あたしは何弱気になってるのよ!? 自信があるわけじゃないけど、ポジティブに考えないとやってられないわよ。
「……うん。僕も好きだよ」
「あ……」
「何時でも、どんな時でも僕を引っ張ってくれてとても頼りになる。そんな君が僕も好きだよ。
こんな男らしくない僕じゃ、とても釣り合わないかもしれないけど、それでも君が望んでくれるのなら、僕は君といつまでも一緒に居たいと思う」
妙にカッコつけた言い回し。キザっぽい台詞なんて似合わないのに無理して言っている、その姿が妙におかしかった。
それと同時に嬉しくも思っていた。
アイツもあたしの事を想ってくれていた。
その事実はとても嬉しくて――
「好き。大好きよ」
「うん。僕も好きだよ……」
あたし達は二人して抱き合っていた。