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地味王子と偽巫女。(エヴァン14歳)

名称は違うものの偽聖女追放ものです。

ただし、この世界には魔法も魔力もないのでだいぶ役割には違いがあったり。

 執務室に父からのメッセンジャーが訪れたのは、エヴァンがローズマリーからの手紙にどう返信しようかと頭を悩ませている真っ最中のことだった。

 

「陛下がお呼びです、エヴァン殿下」

「それは急を要する事態?」

「さて。殿下が麗しき令嬢と心を通じ合わせることが陛下のお召しより重要だとお考えになるならば、さほど急は要さぬとは思いますが」

「今すぐ行くよ」

 

 意地悪な言い方ではあるが、訳すと「どうせたいした相手じゃないんだろ、陛下より大事なわけないんだからさっさと来い」の意である。実際そうなのだからぐうの音も出ない。


 エヴァンはさっと席を立って室内に控えるルーシャス以下数名に業務の中断を告げ、老爺の後について部屋を出る。

 こちらです、と案内された第一執務室の扉を、老爺が軽くノックして応答を窺う。

 

「入れ」

 

 老爺が開いた扉の中に一歩踏み入り、エヴァンは深々と礼をする。

 エヴァンに割り当てられたものよりずいぶんと広く豪奢な執務室の奥には、手紙のみならず書類の山に囲まれた父——エルドレッド・キース・ルヴィルカリアの姿があった。

 

「そう気張るな、楽にしてよい。お前に見せたいものがあるだけだ」

 

 エルドレッドが手を挙げると、脇に控えていた文官がエヴァンに一通の書状を差し出す。

 受け取って内容を読んでみれば、ルヴィルカリアの忠実な臣たる誰々が陛下にご挨拶申し上げます——という儀礼的な序文の後に重要な主旨が記されていた。

 

「イサナの姫巫女……となると大事じゃありませんか、これは」

「まだ本物とは限らんぞ。そう自称しているだけの話だ」

 

 父は平然とした顔で答えるが、エヴァンはそう呑気でもいられなかった。


 イサナ皇国はルヴィルカリアと隣接する、歴史の古い国である。イサナは長い歴史の中で独自の風土を築いており、そのひとつが「巫女」の風習だ。

 イサナには物事の吉凶を占う巫女が多くおり、国民は皆巫女の託宣に頼って生活している。それは王族とて例外ではなく、(まつりごと)に携わる重要な託宣をする巫女は「姫巫女」の名で呼ばれ、イサナの中枢を担う要人中の要人としてそれはそれは丁重に扱われる。

 

 その姫巫女を、ルヴィルカリアとイサナの国境警備を司るジュダル辺境伯が保護したというのが手紙の内容である。

 誠ならば国際情勢に関わる重大案件が故に、陛下のご判断を仰ぎたいという旨が手紙の後半に記されていた。

 

「イサナを探らせている者から何か報告は?」

「姫巫女の代替わりの式典が行われるとは聞いている。が、その代替わりした姫巫女が今まさにフィルカにいるというのも都合が良すぎる話だろう? 要人をそう軽々と国外へ放り出すとも思えんしな」

 

 フィルカ、とはイサナとルヴィルカリアの国境、ジュダル辺境伯が治める一帯だ。イサナから追放されて山伝いにルヴィルカリアに来た、という可能性もなくはないが、エルドレッドの言う通り国政にも携わった要人を隣国へ送り出すのは我が国を好きにしてくださいと言わんばかりの愚行である。

 

「そこで、だ。姫巫女の真贋を見極めたいが私はこの通り多忙だし、おいそれと腰を上げられる身分ではない。故に代理をお前に頼みたいのだ。国家の頭としても手足としても働けるようには躾けておいたしな。私の目の代わりくらいはできるだろう?」

「……私が一番腰が軽いから、ですか?」

「わかっているではないか」

 

 つまり、エルドレッドの代わりにフィルカまで赴いて姫巫女が本物かどうか調べて来いとこの父は言いたいのだ。

 長兄のグレアムは王太子教育で忙しいし、次兄のローレンスは政治に携わらせるにはやや純真すぎるきらいがある。よってそれなりに腹芸のできる素養があるエヴァンにお鉢が回ってきたわけだ。

 

「安心しろ、鑑定士代わりにイサナに詳しい者を供につけてやる。お前は言動に不審がないか見るだけでよい」

「仮に見抜けなかったらどうなさるおつもりで?」

「どうもしない。ヘマをするようには育てていないつもりだからな」

 

 ニヤッと口角を吊り上げて、エルドレッドが机の上で手を組む。これは失敗は許さん、の意だ。

 父からのプレッシャーの重さを噛み締めながら、エヴァンはまた深々と礼をした。こういう身内にも容赦のないところが、エヴァンが父を苦手な所以だった。

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 馬車に揺られること十日ほど、ようやっと辿り着いたフィルカにてエヴァンはジュダル辺境伯以下領民一同から手厚い歓迎を受けた。

 滅多に見る機会がないであろう王家の紋入りの馬車にわあわあと歓声を上げて手を振る領民達に車窓越しに手を振り返し、エヴァンは館の前でひらりと馬車から降りる。

 エヴァンの華奢な体躯と比べると三倍は質量があろうかという鍛え抜かれた長身を窮屈そうに礼服に収めたジュダル辺境伯は、白髪の混じる頭をエヴァンに向けて深々と垂れた。

 

「アイヴァン・ゼム・ジュダルでございます。王都からご足労をいただき恐縮です、殿下」

「気を遣わずともいい。姫巫女はどちらに?」

「こちらへ」

 

 座り続けてだるい足に鞭を打ち、エヴァンはジュダル辺境伯の後に続いて屋敷に入る。

 こちらへどうぞと簡素な客間に通され、少し硬いソファにまだ痛む尻を下ろすと、ほどなくして件の姫巫女が現れた。

 

「初めまして。ルイカ・レメリヤでございます」

 

 拙いカーテシーをしながら彼女が発したのは、ルヴィルカリアを含む諸国で用いられる共用語だった。とはいえルヴィルカリアのものと比べると、元となった帝国語に近い古風な発音だ。

 かつて大陸を治めていた帝国の名残が強く残っているのは、イサナの特徴でもある。イサナから来たのは間違いなさそうだが、彼女の容姿は姫巫女というイメージからはややかけ離れている。


 黒い髪に黒い瞳、というルヴィルカリアでは珍しい色彩に細く小さい目と低い鼻。小顔ではあるがやや丸く幼さを感じさせる輪郭、黄味がかった肌の色。

 全体的に見て——失礼を承知で言えば、地味で薄く世間の美人の基準からは外れた容貌をしていた。


「なんというか、素朴ですね。貴人とは思えないほどに」


 言葉を選びながらエヴァンが感想を述べると、供として控えているイサナ通の政務官がそれが姫巫女の特徴なのだと口にする。

 なんでも、イサナの前身たる帝国が海の向こうにある外つ国を従属国とした際、その国を治めていた巫女に大いに関心を持って巫女の一族を帝国に迎えたらしい。

 帝国の正統なる継承者を自称するイサナには今でもその巫女の血が続いており、姫巫女の血が絶えぬようなるべく近親で婚姻を結ぶ慣わしまであるそうだ。


「では、容姿的には巫女の一族でほぼ間違いないと」


 エヴァンの言葉に政務官が頷く。あとは託宣ができれば少なくともイサナの巫女だと確信できるのだが、可否を問えば少女は「ここではできません」と答えた。


「天気を当てるくらいならば今の私にもできますが……国事に関わる託宣はひどく正確性を欠いたものとなるでしょう。そのような無責任な真似は私にはできません」

「君の託宣は不確定なものではないということ?」


 エヴァンが問うと、少女が思い詰めた表情で口をつぐむ。これ以上はイサナの国家機密にあたる事項なのだろうか——とエヴァンが考え込んでいると、政務官がエヘンと咳払いをした。


「そういえば、イサナの巫女は非常に優秀と聞きますね。まるで皇帝の目耳のように(・・・・・・・・・)国のことをよく把握しているのだとか」


 それを聞いてぴくり、と少女が肩を震わせる。戸惑うような表情で顔を上げる少女に、政務官は何食わぬ顔で「あくまでイサナの知人から聞いた話です」と付け加えて話を続けた。


「イサナでは各地の神殿に配置された巫女のほかに、各国を巡礼し薬売りとして貧しい人々を助けている巫女もいるそうですよ。我がルヴィルカリアでもイサナの薬売りは腕利きと評判でしたね」

「……ルヴィルカリアにも他国の()が届いている、と」

 

 エヴァンがじろりと少女を見れば、少女はもはや隠し立てができないと思ったのか青い顔で全てを語り始めた。

 

 いわく。イサナの巫女とは民衆がイメージするような「天からのお告げを伝える者」ではなく、長年に渡って蓄積したノウハウや集めた情報を元に正確性のある助言をするアドバイザーであり。

 国政に携わる姫巫女は、各地に分散した巫女から国内外の世情を聞いた上で皇帝に進言をしているのだという。

 

「実質的には諜報機関というわけか。神を目くらましにするなんて皇帝も考えたな」

「イサナが国力を保ち続けているのも姫巫女、ならびに巫女のお告げ(・・・)のおかげだそうで」

「しかしなぜそんな要人を放り出したんだか。思った以上のウィークポイントじゃないか」

「それは……私が皇太子殿下にご意見を差し上げたからです」

 

 エヴァンの疑問に、少女が鎮痛な面持ちで答える。どうも現在のイサナ皇太子・フィリップは為政者としての資質に欠けるので側妃の子エルンストを皇太子に据えた方が良いと進言をしたところフィリップや正妃の怒りを買って国外追放に処されたそうである。

 

「処刑するにしても国家の中枢にいた人間を放逐なんておかしいんじゃないか? 死刑かさもなくば幽閉が堅いだろうに」

「さ、宰相様が助命嘆願をなさってくださって……私のそれまでの功績と引き換えに死刑は免れたのです」

 

 その代わりに山奥への追放を命じられて、何日も馬車に押し込められて放り出されたのがルヴィルカリアとの国境で。

 巫女として薬草や毒草の知識があったので野草を喰み木の汁を啜り人里を探して歩き回っているうちに、ジュダル辺境伯旗下の警備兵に見つかって保護されたのだという。

 

「どうお考えになります? 殿下」

「……ちょっと都合が良すぎるな。減刑はともかく、やっぱり国家機密を知る要人を隣国に放逐なんてあり得ない。完全に自殺行為だ」

「皇太子ならず皇帝までも暗愚でなければ、そこまでの事態にはならぬでしょう。現皇帝は凡庸なれどその程度も解らぬ者とは思えません」

 

 ジュダル辺境伯と顔を突き合わせて考えた後、ふとエヴァンは傍らの政務官に目を向ける。おろおろする少女や怪訝な顔をした辺境伯とは対照的に、政務官は澄まし顔でずっと突っ立っていた。

 

「君、確かイサナの知り合いに話を聞いたと言っていたが。その知り合いはどんな人物なんだい?」

「申し訳ございません。機密事項ですので、殿下といえども申し上げるわけには」

「当ててみせようか。宰相かその周りの人間だろう」

「さて、どうでしょう。高貴なご身分の方とだけ申し上げておきます」

 

 それを聞いて、エヴァンとジュダル辺境伯のみならず少女までもが揃って顔を見合わせた。

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 王都へ戻ってから数日、エヴァンは用事があるので父に取り継ぐよう老爺へ頼んだ。

 老爺は例の第一執務室にエヴァンを通すと、数名の文官と共に退出して静かに扉を閉じた。

 

「試験の答え合わせに参りました、父上」

「ほう。で、どっちなのだ。姫巫女は本物か、あるいは偽物か」

 

 机に頬杖をついてにやにやと笑うエルドレッドに、エヴァンは少し眉をひそめてから口を開く。

 

「姫巫女は本物。かつ、送り込んだのは側妃。優秀な姫巫女を身勝手な理由で弾劾し、隣国に機密を漏らした責で現皇太子を追い落として、イサナの実権をルヴィルカリアの手中に収めるのが目的。ですよね? 父上」

 

 エヴァンの回答に、エルドレッドがぱちぱちと手を打ち鳴らす。エルドレッドは姿勢を正すと、満足げに目を細めてエヴァンを見つめた。

 

「正解だ。側妃の件まで調べ上げられたなら上出来だな」

「ほとんど推測ですけどね。アデーレではなくアデルと発音する時点でイサナ人でないのはわかりました。で、調べてみたら公爵家の庶子にちょうどアデルという名前があるではないですか。それも調べたところ父上の同級生で」

「ははは。そっちの方をあたったのか、どうりで早いと思った」

 

 エヴァンの報告を聞いて、椅子の上でエルドレッドがからからと笑う。

 つまり、この姫巫女の一件は「エヴァンがエルドレッドの策謀をどれだけ見抜けるか」という試験であったのだ。

 エルドレッドは王家の血を引く公爵家の庶子で、見目の美しいアデルに在学中に接触し彼女をイサナに潜り込ませた。

 アデルが当時のイサナ皇太子に見初められたことまでがエルドレッドの計算通りだったかはわからないが、アデルは皇太子の側妃になり皇子エルンストを産んだ。その頃からエルドレッドは密かにルヴィルカリア王家の血を引く者にイサナを治めさせる算段を立てていたのだろう。


 幸いにもその目論見はすぐに叶うこととなった。正妃もその子のフィリップも少々頭の足らない人間で、エルンストが次期皇帝に相応しいと進言した姫巫女を罷免しようとしたからである。

 側妃アデルは宰相を抱き込み、姫巫女の処刑法を水牢から追放へ変えた。ついでに追放先も辺境の村ではなく、そこから少し離れた山の中にした。山の中で野垂れ死にさせるのが罪人によりふさわしい末路だ、と出発直前に宰相から皇太子に助言をさせて。


 果たして姫巫女はルヴィルカリア領へ辿り着き、ルヴィルカリアにイサナの国家機密を漏らした。ルヴィルカリア国内の巫女はすぐに捕らえられ、処刑かもしくは二重スパイとしてイサナを引っ掻き回す役目を与えられることだろう。


「父上も悪どいことを考えますね。イサナ皇室にルヴィルカリアの血を混ぜて内側から侵略しようだなんて」

「いやあ、アデルならやってくれると信じていたからな。彼女も他国とはいえ皇族に嫁げて幸せだろうし、イサナには自治を認めるつもりだから国民も幸せ。三方よしで万事大吉だ」

 

 手を広げて笑う父の顔はいたずらが成功したことを喜ぶ子供の如く無邪気だったが、その腹の中を覗いたエヴァンにとっては背筋が薄ら寒くなる心地だった。

 国内では父は鷲になぞらえて讃えられるが、国外では狐と狼の合いの子などと呼ばれている。理由はもちろん、ずる賢く恐ろしいからだ。

 

「ともかく、試験は合格でいいんですよね」

 

 父とアデル妃が同級生という点で推理をやや飛躍させたとはいえ、父の企みを暴いたのには違いない。プレッシャーを乗り越えてどうにかやり遂げたぞ、と達成感と疲労感を抱えるエヴァンに対し、父は「んー」とどこか含みのある表情を見せた。

 

「合格は合格だが、百点ではないな。宰相にもルヴィルカリアの血が入っていることまでは指摘しなかったから」

「……そこまで手を尽くしていたんですか」

「偶然だがな。利用できるものはいくらでも使ったほうが楽だろう?」

 

 ぱちんとウィンクをする父の顔を見て、ああやっぱりこの人は苦手だ——と、エヴァンは心底痛感したのであった。

◆エヴァン・ライーズ・ルヴィルカリア


ルヴィルカリア第三王子。

策略家の父は怖くて苦手なのでお母さんっ子。見た目が似ているのもあって母とは仲が良い。

なお兄達とも「おとうさんこわい」で意見が一致している。ルヴィルカリア王子はいずれもお母さんっ子。



◆アイヴァン・ゼム・ジュダル


辺境伯。

筋骨隆々のイケオジ。国境守護を任されるだけあって相当の猛者。

姫巫女の件について「これって陛下の目論見なんじゃ……」と薄々察したので考えるのをやめて姫巫女を手厚く保護する方向に走った。エルンストがイサナ皇帝になったらイサナに返してもいいかなーとは思っている。



◆ルイカ・レメリヤ


元姫巫女。

いわゆるジパング的な遠い異国の血を引いているので黒髪黒目だし塩顔。実はまだ10代。

エルドレッドの思惑を察したジュダル辺境伯に養女に迎えられ、イサナがルヴィルカリアの属国となるその時まで丁重に扱われている。

彼女もアレ国家機密漏れてる?もしかして国家ぐるみで陰謀渦巻いてる?と察したので、自分無きイサナの今後をめちゃくちゃ心配している。陛下がいいようにしてくれるとジュダル辺境伯に言われているが、故国なので心配なもんは心配なのだ。



◆エルドレッド・キース・ルヴィルカリア


ルヴィルカリア王国現国王。

全ての黒幕。学生時代、見てろよ絶対いい夫見つけて成り上がってやるからなと野心を燃やしているアデルを「どうせならでっかく妃を目指しなよ、ただし隣国のな」と焚き付けて共犯者に仕立て上げた。もしアデルがダメなら別の令嬢を送り込む気もあった。

ちなみに息子三人のうち一番エルドレッドに似ているのはグレアムだが、当人には「父上は私以上のバケモン」と畏怖されている。



◆アデル妃


イサナ皇室側妃。

エルドレッドの共犯者。美しい見た目とけっこう回る頭とバイタリティを見込まれてイサナ乗っ取り計画を持ちかけられ、面白えなやってやろうじゃねえかこの野郎!と承諾。

計略を悟られないために平民としてイサナに潜り込み、お忍びで街で遊んでいた皇太子(現皇帝)と「たまたま」出会い、愛を育んで皇宮入りを果たした。一時期は平民から側妃にというシンデレラストーリーが市井の話題をかっさらったとか。

思ったより早くことが進み、存命中に我が子を皇帝に据えられたのでハッピーな老後を過ごした。



◆イサナ皇国


かつて大陸を支配していた帝国の趣を残す国。

帝国が分裂して色んな国ができたのだが、分裂した際に帝国の第三皇子が興したのがイサナである。

正妃の尻に敷かれた皇帝が正妃と皇太子の専横を許した結果、有能な姫巫女が罷免され上の顔色を窺って適当なことしか言わない姫巫女が後釜に座ったのでどんどん国が傾いていった。

後に第二皇子エルンストがルヴィルカリアの援助を受けてクーデターを起こし、自身もルヴィルカリア王家に連なる者であると明かして友好条約を結んだ。

国家の体裁は保っているが、クーデターの折に皇宮内をルヴィルカリアの血が入った親ルヴィルカリア派に入れ替えたので実質的にルヴィルカリアが支配しているようなものとなった。

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