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2.6 インターステート10

 地質調査会社のフェニックスオフィスに立ち寄った際にマーティンというスキンヘッドの大男の測量エンジニアが対応してくれた。再来週からマーティン自身がウィルコックスに出向き、測量を行うのだという。1週間以上も置きっぱなしで問題は起きないのかと聞くと、リモート操作可能で登録済みの生体認証でしか操作できないから心配ないとマーティンは言う。


「そもそもウィルコックスの荒野に放置してあるまだ使えるボーリング機材やコンテナの仮設事務所なんか誰も狙わないだろ? 明らかにトラップだ。」


 マーティンが笑う。


「そりゃそうだ。こんなもんバラして売ろうがどうやったって足が付くし、俺だって処分に困る。はっきり言っていらないな。」


 そう言ってシンタロウも笑う。積み荷を下ろしたらリモートから所定の位置に設置するので、それを見届けることで作業完了だ。作業完了後にフェニックスにダンプを置いたところで報酬がチャージされる。帰りはフェニックスからロサンゼルスへローカルロジスティック用の車両を運ぶ仕事を入れている。マーティンが今日はフェニックスで宿泊していけと部屋を手配してくれた。


 フェニックスはネブラスカよりも断然都会だがロサンゼルスに比べるとだいぶ見劣りする。そもそもカーニーの草原に見慣れている俺からすればここから南は全て荒野に見えるし、フェンス跡の先の国と見分けがつかない。ドライバープログラムを並列稼働させて疲れていたので用意してもらったホテルの部屋ですぐに寝てしまった。


 翌日、フェニックスを出発してツートンを経由して220マイル先のウィルコックス、そしてその先からさらに40マイルほど走り、午前中に予定地に到着した。シンタロウは膝下ほどの小さな樽のようなサボテンを見つめていると、サクラからそれはカクタス種というサボテンだと聞かされた。サボテンの種類に興味がないシンタロウはそれにしてもほんとに何もない荒野だと一人でつぶやいた。コンテナの仮設事務所とボーリング機材をターゲットのポイントに下ろす。ボーリング機材がリモート操作によって配置される様子を完了するまで眺めていた。


 結局、その作業が終わるまで3時間もかかってしまった。シンタロウはダンプに戻ろうと辺りを歩いていると突然、鼓動が早くなって血圧が上がり、全身に血が巡るのを感じた。体中が焼けるように熱くなり、これ以上の発熱に身体が耐えられないことを訴えるように関節や節々が痛みだし、そしてひどい息苦しさを感じた。日差しに当たり過ぎたせいだと思い、ダンプに乗り込み少し休むと息苦しさはまぎれたが鼓動は早いままだった。


 熱も下がらず、節々の痛みも治まらなかった。もう少し休んでいたかったが、思いのほか作業に時間がかかってしまったので直ぐにフェニックスに戻ることにした。フェニックスまでの道中、鼓動と血圧は相変わらず異常なままで、さらに発熱が続いていたせいで体調が最悪だった。脂汗を垂らしながらなんとかフェニックスのオフィスに着いてダンプを置き、報酬がチャージされていることを確認する頃にやっと鼓動が元に戻って少し安心をした。


 あとは新品のローカルロジスティック車両を25台ほどコントロール下に入れてロサンゼルスまで戻るだけだ。22時には家に戻れる。インターステート10を使ってロサンゼルスまで戻る道中、ずっとバイタルが大きく乱れて、サクラが何か言っていたが記憶があいまいだった。


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