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23.動機※ダフィディ視点

 すごい!アイビー殿の精霊術を完全に抑えている。


 「こ、これ程の術師であるのなら!《塔》を知っていますか。《精霊塔》です!我らエルフの至高なる遺物!!」


 精霊塔、遥か太古のエルフ族がその技術を総て注ぎ込み造り出した精霊増幅装置。魔界の魔素を精霊の糧へと変化させ精霊を強化する。

 強化せれた精霊に満ちた塔はエルフも強化され、本来は齢500を超えると衰える肉体をさらに長寿とする。その大いなる力はハイエルフと呼ばれた。

 しかしそのハイエルフも翼ある魔王に負け、塔は奪われてしまった。


 「更なる力を欲しくはないですか?私も500歳になる。今後、ただ老いさらばえるのなどごめんです。今の有翼族など恐れることなどありません。《塔》を我が手に!」 


 アイビー殿の目には狂気が宿っている。そうか、あんなにも執着していたのは老いへの恐れか。わからないでもないが《塔》への攻撃は長会で否決されているのだ。弓を構えたコウ殿がこちらを見る。私は首を振った。


 「アイビー殿。《塔》は強力ですが、良くない話も伝わっていますわ。里長のあなたなら知っているでしょう。長会の決定にしたがってください」


 アイビー殿がこちらを睨む。


 「仕方ありません!禁術を使おうとも私は《塔》を手に入れます」


 いけない。アイビー殿が唱えているのは精霊を混乱させ暴れさせる禁じられた術。使用したエルフは精霊から嫌われ精霊術の使用が難しくなるというのに。


 「それはさせられない」


 構えられた弓から矢が放たれた。アイビー殿を貫く。術が中断され辺りが静まり返る。


 「あ、アイビー殿…」


 アイビー殿の元へ走った。《塔》への執着で暴走していたが偉大なる長であった。こんな最後になるとは。…、息をしている。意識はないようだが怪我は無い。


 「ワタクシの精霊弓は射るものを選びます。今回は彼の意識を射貫きました」


 とても素敵な笑顔でコウ殿は言った。

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