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20.幕間 狼牙族集落の日常※ルナ視点
コウ様はすごいのだ!絶体絶命の危機に颯爽と現われ、ワレ等を救ってくれた。散り散りになった一族を探して、魔の森の長と交渉して近くに集落を作ることを許された。まさに救世主なのだ!
これから楽しい楽しい狩りの時間だ。狼牙族にとって狩りは戦闘技術を高める大切な訓練でもある。強くなり腹も膨れる。無駄がない。更に今はコウ様も参加してくださる。コウ様と一緒に走るのはとても気持ちが良い。戦い方を指導して下さる。楽しい。
大きな魔獣を仕留めることができた。涎がたれる。いかん一人前の戦士になるのだ。ガマンガマン。耐えることは戦士として大切なことだと偉大な父が言っていた。この獲物の肉を喰らえば父の傷も早く癒えるだろう。
「コウ様。今回も素晴らしい指揮でしタ」
コウ様は狼牙族を自分の手足の如く動かして魔獣を追い込み狩る。カッコいい。
「今日の魔獣は大きかったな。どんな味がするか楽しみだ」
ワレも楽しみだ。早くコウ様の横に並びたてるような戦士になるのだ。そう強く想った。
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