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15.使者

 アリスさんから貰った通信用神器。ボクのお気に入りだ。


 「ふーん。散発的に魔獣は来てるけど、そんなに大軍ではないから被害は少ないんだ」


 会話の相手は騎士のボク。この通信用神器、アリスさんに改めて使い方を教えてもらったらとても遠くまで通話出来るみたい。しっかり相手を意識して開けたところで使う必要はあるけど。なんでも光の精霊が声を届けてくれるらしい。

 楽しくて頻繁に使っていたら怒られたので、今は朝昼晩だけで我慢している。あちらの都合で会話出来ないこともあるけど。

 分かれた後は無事砦に着いたけどひと悶着あったようだ。城にいるはずのお姫様が急に戦地にきたら驚くよね。騎士のボクは牢屋に入れらせそうになったけどアリスさんが必死に説得したのでなんとかなったらしい。

 今はアリスさん付きの騎士見習いとして頑張ってると言っていた。

 聖王国の情報網によるとはるか南の大砂漠で人間軍と魔王軍の激しい戦いが繰り広げられているとか。《森》に近い北側が主戦場にならなかったことに安心しつつも大砂漠の事を考えると溜息がでる。なんで仲良く出来ないんだろう。


 そんな日々を過ごしていたら《森》にお客さんが来た。人型に大きな翼。有翼族だって。初めて見た。なんでも、有翼族が住む塔にエルフの軍隊が攻めて来たそうだ。今は応戦しているがあまりの大軍だったので魔王様に助力をお願いしに行ったら断られたらしい。しかたないので帰路の途中で強力な種族をみかけたら助けを求めているのだけど芳しくない。魔族はあんまり他族と仲良くしないからなぁ。シン様も断ったみたいだし。

 知恵者と知られる木のおばさんに助言を求めに来た。


 「そうは言ってもねえ。魔王様の命令でもなけりゃわざわざ他族を助けようなんて物好きはいないだろう。エルフなら小鬼族や猪族が喜びそうなものだが南の魔王軍の主力だからね」


 有翼族の使者2人が悲しそうな顔をする。


 「おばさん!ボク、エルフ見てみたい」


 「見てみたいって。お前ねえ。戦場なんて遊び気分でいくもんじゃないよ。それにコウや、戦えやしないだろう?」


 確かに戦えないけどボクの不思議な力が上手く使えれば何か役に立つかもしれない。


 「狼のボクにも声をかけてみるよ。危なそうだったらすぐ逃げてくるから」


 「ううむ。有翼族は今コウモリの手、は無いね。足だって借りたいくらいなんだろうけども…」


 使者の人達も困惑していたが、狼のボクをつれてきたら驚いていた。狼のボクも行ってくれるらしい。


 「ワレも行くゾ。狼牙族の戦士達もナ」


 ルナさんが言う。助け出した族長のお父さんの傷が治ったので集落はまかせられる。希望者を募り戦地に向かう。狼牙族の皆は小鬼族に負けた悔しさを戦って晴らしたいみたい。自分達の力を確かめたいんだって。


 使者さん達も強力な友軍に大喜びだ。


 さて、有翼族の住処はどんな所なのだろう。噂に聞くエルフ族の姿は?

 狼のボクの腕の中でこれから訪れる出会いに胸を馳せた。

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