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30話 特訓特訓!大特訓!

 

 目の前の空間が薄暗く彩られる。


 その場に居合わせるのは共に授業を受ける学友達。


 皆、同じく眼鏡をかけ実験演習棟の中央に居るオレ達に注目している。


 否。これは眼鏡ではなく実の所、サングラスなのである。


 何故このようなふざけた状況になっているのかというのか。理由は一言。


 光耀。


 そう。


 元々眩しかった光耀が最近になって更に輝きが増してきているのだ。


 オレの隣に立っている当の本人も既にサングラスをかけた虚無顔で魔改造された遮光寝袋に身を包んでいるのにも関わらず。ただ一箇所顔面が出ているだけでこの眩しさ。


「ちょっ……おまっ……まじでどした??昨日までそんな眩しくなかったじゃん」


「俺も分かんないよ……確かに家に居た頃より眩しくなってきたなぁって思ってはいたけど……」


 そう言いかけ、光耀はその場に膝から崩れ落ち遮光寝袋に覆われたマスコットのような手で顔を隠す。


「こんなになるとは思わないじゃん!!!!うわぁあああ」

「まぁまぁ。落ち着いて落ち着いて」


 床に崩れ落ち、豪快に泣き始めた光耀を宥める為オレもその場にしゃがみ込み背中をさする。


 その間にも遮光寝袋で覆った隙間から顔面の輝きが少し漏れるだけで眩しいと思う程の輝きに目が眩む。


「まぁ〜という訳で、急を要する事態になった。これを機に首席・次席の権限によって能力を底上げした状態での固有能力の制御の仕方を叩き込もうと思う」


 サングラスをかけた松本先生も若干目を細めながら辺りを見回す。


「それに伴い、制御の反対である能力を最大値まで自分の力で解放する方法も出来そうならやってみようか」


 今日の授業は個人が有している固有能力の制御の仕方及び、能力の解放。


 能力を制御出来るようになるということ。それ即ち、己の中にある計測不能な超常的な力の加減を調節し、自身の身を守る為の最大の武器にもなり得るのだ。


「取り敢えず四國は、感覚について詳しい絵空(えそら)と一緒に(りん)の事よろしくな」


 この分配は恐らく、オレと光耀がこの学年で唯一魔法技術を使えない同士だからと言う思惑が有るのだろう。


 実際、ラファと菫、ローズはオレと光耀以外の皆の方へと派遣されている。


「やっほ瞳くん。この間ぶり」

「うん、よろしく桧」


 松本先生は寝袋に身を包んだ光耀をひとなでして、ラファ達が集まる他の人達の指導へと向かった。


 久しぶりに顔を合わせたのは、和栗色のフワフワとした髪が特徴の絵空桧。


 この前の合同授業の際、光耀と共に能力が暴走していた級友である。


「それにしても眩しいね」

「うん……本人も居た堪れ無さすぎて最近引きこもってたみたいだし……」


 相変わらずマスコットのような掌で顔面を覆い、しくしくと涙を流し続けている。


「さてと。取り敢えず、出来る事やってみようか」


 桧の一言で、伏せていた顔を光耀は上げた。

 本気で悩んでいたのだろう。綺麗なアクアティントの瞳から絶えず涙が零れ落ちすぎて、瞼が赤く腫れていた。


「じゃ、まずはその遮光寝袋取らなきゃね。脱げ」

「わぁーお。桧くん大胆〜」


「嫌だっ脱ぎたくないっ」

「力づくで脱がせるぞ〜」


 桧は手に持っていたスケッチブックを床に置き、光耀の遮光寝袋に取り付けられたチャックへと手をかける。


「やだっやめろぉお!!強制的にここが朝になるぞっ!!」

「まだ昼前だから変わんないよっ!」


 ちょっと意味わかんない攻防をしながら揉みくちゃにされている様子を傍から眺める。桧からの応援要請により光耀の背後に周り羽交い締めにする。


「オープーン」


 桧の一言を皮切りに降ろされたチャックからは眩い光が溢れ出していく。


「うっっっわ!?眩しっっっっっ!?!?」

「大丈夫まだ耐えれるー!」


 この際なので一気に開けっぴろげ、遮光寝袋から光耀を引きずり出した。


「これ朝ってか、最早太陽だろ。」

「お前さては日ノ神だったか。」


「だから言ったじゃん………うぅ…ごめん」


 光り輝く太陽……じゃなく、光耀を遮光サングラス越しに見つめ眩しさに思わず絶句する。


 寧ろよく今までこんなにならずに済んだなと関心さえも覚える。


 光耀のブロンドとホワイトブロンドの髪はてらてらと輝き、自身の発光によって更に眩くなっている。


 少し離れたところに集まる皆も思わずこちらを見て絶句しているのが見て取れた。


 舞闊の能力解放空間恐るべし。

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