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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
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★ダンジョン169


 五十五階の探索は危ない感じで始まったのですが、最初にやることはいつも通りに次の道を選ぶこと。

 部屋は狭く選べる道も何故か南北の二本だけ。


「さて、どっちに進もうか」


 最初なのでここで外すと後に響きそうなものですが、さっき罠を踏んでいるのでこれ以上下がる事は無いような気がするのでちょっとだけ緩い気分で選ぶことが出来ます。


「今の気分は上げていきたいって事で北側の通路へ行こう」

「願掛けですか?」

「まあ、ちょっとだけ?」


 言葉遊びですが、こんなのもいいかなと。

 選んだ通路へ進むのですが、通路はグネグネでどっちを向いているのかがよくわからなくなる感じ。


「通路がグネグネは困るね」

「でも一応何となくは分かっているのでしょう?」

「まあ、ある程度はね」


 通路を進むと次の部屋が見えてきたのですがそこには新しいモンスターの影。


「アレがヘッジホッグ?」

「ですね」


 大きさはかなり大きく、ウルフ程は無いのですがドッグと同じぐらい。


「もう少し小さいものかと思っていたけど……かなりあるね?」

「ええ、あの針が場合によっては飛んでくるわけですから」

「そう言われるとかなり怖いね」


 遠目で見ていても分かるほどに針も一本一本が鋭く精霊の言う通りであれば返しまでついていて刺さったら抜けにくくなっているという程。

 ただ、動きはかなりゆっくりで機敏な動きと言う感じは無さそう。


「好戦的ではないんだっけ?」

「一応はそう聞いています」


 であれば、無理に戦いたいわけではないので一応武器は構えておいた方がよさそうですが、こっちから攻撃をしないで様子を見る方向で。

 通路から覗いてもヘッジホッグは普通に歩いていたのですが、通路から一歩部屋に入った瞬間、ピタッと動きを止めるとギュッと縮こまって針がピーンと全体を覆います。


「……やる気かな?」

「どうでしょう?」


 縮こまって針で威嚇はしてきましたが距離が離れたままなので攻撃をされたわけでもなく。

 部屋を見回してみたのですがなにも無さそうなので次の通路を探すことに。


「今度は一本しかないね」

「ええ」


 正面に一つだけしか通路が無い状態なのですが、何時攻撃が来るかわからないので念の為と腰から抜くのは木刀。

 いつもの刀より少しだけ軽いような気がします。


「木刀ですか?」

「針の内側に攻撃ってわけでなければ逆に対応しやすいかもしれないと思ってね」

「まあ、刀が刺さって抜けないとかになる事を考えると安全なのかもしれない…ですか?」


 精霊もよくわからなくなっているのか、アレ、アレ?と少し悩んでいるような感じみたい。

 ただ一番ありがたいのは戦わないで済む事。

 一応木刀は構えていますが、このまま動かないでくれると助かるのですが……。

 出来るだけ近くを通らない様に気をつけているのですが、罠があちこちにあってかなり近くを通らざるを得ない状況に。

 そーっとそーっと。

 ヘッジホッグの横を抜けてそのまま通路へ入ることに成功。


「イケたよ」

「イケましたね!」


 精霊もこれは思っていたのと違ったみたいで一緒に喜んでくれます。


「スライムとかに似ていて、攻撃を一回でも受けるとアクティブになるのかもね」

「可能性は高いですね。ただ攻撃を受けているかどうかが分かりにくいのでその辺りは気を使って見ないといけないですね」

「だね」


 このままでいけばヘッジホッグとは戦わないで進めそうなのでそれが分かっただけでもかなりの収穫。

 ただ今見た個体が全てではないとは思いますが、初めて見た個体でも結構な大きさ。

 あれよりもさらに大きいのが出て来ると当たらないで横を通り過ぎるのはなかなか難しい可能性が高くなります。


「部屋が狭いのも結構困るね」

「言われてみればそうですね」


 罠があるとそれも避けないといけないので歩ける場所も限られてきます。

 そうなるとこの部屋の狭さは絶妙に面倒。


「攻撃するつもりが無くても当りそうに出来ているのか。考えられているというか中々いやらしいね」

「言われてみるとそうですね」


 そんな話をしながら通路を通り過ぎると次の部屋。

 部屋は狭いのですが、新しい部屋にはモンスターもおらず、アイテムも何もない状態。


「なにも無いね」

「ですね。何にもないなんて珍しいですね」


 何もないとは言っても、罠だけは一杯あって。


「罠見えの腕輪が必須だよね」

「ですね。というか無いとかなりこの階層は厳しいのでは?」


 頷きながら道を今回は選べます。

 一応二本来た道に戻る選択肢はないので選べるのですが、


「同じ感じで上げということで北側かな」

「ですか」


 何もない部屋は気にせずそのまま進むと通路の先に塊が見えます。


「ゲ」


 思わず出る言葉はそれだけ。


「通路を通せんぼですか」

「下がるのもアリかな?」

「ですねぇ」


 一体位倒すのもアリなのですが、今はまだ無理するタイミングでもなく。

 来た道を戻って西側へ向かう道に通路を選びなおし。

 今度の通路の中にはヘッジホッグが居ないみたいで次の部屋が見えてきます。


「階段が見つかるといいんだけどねぇ」

「出来れば戦闘はナシがいいですよねぇ」


 結構消極的な状態で五十五階の探索は進みます。






今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります


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