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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
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★風の腕輪2

一年ほど書いているのですが、作者の思い通りに動かないキャラクターが居まして(笑)

行き当たりばったりで書いている部分があっておかしな事になっていないか不安になる事が多々

中々設定というのは難しいですね


 どういう風にすれば飛べるのか考えるのはなかなか難しいのでうーんうーんと唸りながら悩んでいたのですが、ぱっと横を見ればいつも飛んでいる精霊がそこに居るわけで。


「精霊はどうやって飛んでいるの?」

「私ですか?」


 考えてみればそこに答えがある意味あったような感じ。

 ただ返答次第では難しい事になる気もするので少しだけ緊張してゴクリと唾をのむような感じで精霊の言葉を待ちます。


「私の場合は」

「私の場合は?」

「精霊にお願いしています」

「ん?」

「ですから、精霊にお願いしています」

「……どういう事?」


 精霊が精霊にお願いしているってこと?

 自分の意志で飛んでいるわけじゃないの?

 色々と言葉は浮かびますがそのまま声には出さずに、飲み込む感じ。


「えーっと、飛びたいときは近くにいる風の精霊に『運んで』って」

「それだけ?」

「ですよ。えーっと、雅の世界の諺?でしたっけ餅は餅屋?って言うのがあるじゃないですか?って、お餅も美味しそうですね?」

「お餅の話は置いておくとして、精霊に頼めばいいの?」

「私はそうしていますが」

「どんな感じなんだろう?」


 さっきのような飛ぶのを意識した形だといい感じに飛べなかったので、じっくりと精霊を見てみますが、さっぱり原理は分からない感じ。


「今もお願いしているの?」

「ですよ?」

「魔力の想像は?」

「ですから、『運んで』ですね」

「んー?」


 目の前でスイスイ飛んでいる精霊をじっくり見ても全然答えにたどり着かないのですが、あんな感じに飛べるのは凄く楽しそう。


「真似てみてもいい?」

「んー、多分大丈夫だと思いますよ?もしアレでしたら確認してみましょうか?」

「確認?出来るならお願いしたいけど」


 そういうと精霊はふわりといつも飛んでいる高さよりもさらに少し高い部分に飛びあがって、誰かと話をするような感じで身振り手振り、よくわからないジェスチャーをしています。


「オッケーだそうです」

「そこに風の精霊がいるの?」

「何を言っているのです?そこどころかどこにでも精霊はいますよ?」

「そうなの?」

「まあ、その話は置いておいて『運んでほしい』とおもって魔力を作って腕輪に流し込んでみて下さい」

「ん、わかった」


 こういうときは言われた通りにするのが一番。

 そこに居ると言われた以上、見えてはいませんが風の精霊がそこに居るはず。

 その精霊に空へ運んでほしいとお願いをするように想像をして魔力を腕輪に流してみます。


「え!?雅、何を考えたのですっ!」


 魔力が腕輪に注がれた瞬間に起きたのはちょっとしたアトラクションの様な事。

 腕輪が緑色に光ると同時に体ごと一気に上空へ吹き飛ばされます。

 ただ、凄い速さで上空に吹き飛ばされるのですが、見える景色はかなり綺麗。そして通常で考えれば寒くなるはずですがそんな事も一切なく。かなり上空へ飛んできたことは周りに雲があるのですぐにわかる感じです。


「お、おおぉ、ビックリしたぁ。でもすごい、この世界ってこんな感じなのかぁ」


 一気に上空へ飛んだので最初の数秒こそ怖かったのですが、その先はただただ綺麗な空から地上を見下ろす感じ。

 それを一人ゆっくりと楽しんでいると、


「大丈夫ですか?」


 下から急いできたのか少し疲れた感じの精霊が来てくれます。


「ビックリしたね」

「ビックリしたね、じゃないですよ!いきなり吹き飛ぶように上空に吹き飛んで何を考えたのです?」

「何を考えたって言われても、言われた通りに空へ運んでって」

「あー、私の言葉と違いますね?」


 ん?違うかな?


「分かっていない感じですね?私が言ったのは運んでほしいと考えて下さいでしたよね?」

「そうだね」

「今聞いた感じ、雅は『空へ運んで』になっていますよ?」

「あー、そういう事?」

「空に風の精霊が運んだらこういう高さになるに決まっているじゃないですか」

「なるほどねー」


 言われてみると納得できる理由がしっかりあるもので。運ぶのであればある程度の高さでいいけど、自分の想像したのは空にと余計な一言が付いている状態。

 その結果がコレなわけで。


「運んでくれているのですっごく嬉しいけど、これどうやって降りればいいの?」

「ある程度自由に動かさせてと思えばイケると思いますが」

「オッケー」


 魔力を注げばいいのか少し迷っていると、目の前に小さな竜巻が。


「あー」


 精霊が少し諦めたような声。


「え、なに?なに?」

「魔力は十分ですから、頭で考えるだけでいいですよ」

「え、あ、はい?」


 喋って来たのは精霊よりも二回りほど小さい緑色の球体。

 言われた通りに頭で自由に動かせてほしいと考えると今までと少し違う感じで一瞬ふわっと浮いた感じになった後に自分の思い通りに動けるように変わります。


「おお、おおおおお!」


 嬉しくなって出て来る言葉はそれぐらい。

 自分で動かせるようになったので、はじめにするのは一気に下がるところから。

 普通の木と同じ高さかそれよりも少し低い位置まで下がれば最悪魔力が切れても耐えられそうな高さに。


 嬉しくなったのと、何となく察しているのもあるのですがずっとそばで緑色の球体はこちらと同じように動いてくれています。


「風の精霊さん?」

「ですねー」

「こういう時のお礼ってどうしたらいいの?」

「終ってから魔力をあげるといいですかね」

「オッケー」


 空を自分の思い通りに飛べるのは思っていた以上に楽しいいい経験になりました。






更新はまだ続きます


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[一言] おお! 空飛んだ!
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