ホットケーキミックスで作るカステラ
お昼は何事も無く終って、お客さんが帰る頃。
「明日か明後日は久しぶりのダンジョンかい?」
「ですね。あれ?魔法の改良がおわったのって伝えていましたっけ?」
「まあ、色々とね。無事に進めそうでよかったよ」
「また何か悩むことがあったら、相談しますね」
そんな感じの話をがーさんとして、お見送りを済ませたら片付けをして自分たちのゆっくりできる時間に。
「魔法はかなり順調そうですね?」
「まあ、効率はそこまで悪くはないと思うけど、むしろ心配というか気になるのはずっと魔法精霊が使ってくれる感じの話になっているけど、大丈夫?」
「あ、その辺り私は大丈夫です」
「そうなの?」
「ええ。なので暑さ対策は基本的に必要ないかと」
「それだけ聞くと本当に助かるね」
本来であれば自分で魔法を使うか、腕輪に頼るかなど突破は結構大変そうですが何とかなりそう。
「この前は私ばかり食べてしまいましたが、保存用の食べ物をまたつくってくれませんか?」
「あー、魔法を使うとやっぱりお腹減る?」
自分で前日に作ったアップルパイは結局ダンジョンでは食べられませんでしたが、一応できたてを食べていたのでそこまで悔しくはないのですが、それでも食べられなかったなーと言う思いはあるもので。
「片手で持って食べやすいモノだよね?」
「まだああいう感じの食べ物があるのです?」
「あると言えばいくらでもあると思うけど、そうだね……丁度おやつみたいな感じで今から作ってみるのもいいか」
木刀作りに行ながら魔法の修練も悪くないと思っていたのですが、今日はなんというかお菓子を作りたい気分。
「じゃあ、少し手伝ってもらいながらお菓子でも作ろうか」
「分かりました」
使う材料はホットケーキミックス。
コレがあれば殆どコレだけで出来上がりになるのですっごく便利。
コレから作るのは普通のホットケーキを作るのと材料はほとんど変わりなし。
ホットケーキミックスに砂糖、卵、牛乳、自然の甘さではちみつを。
後はバターを溶かして使います。
まずはバターをレンジで温めて溶かしバターにして、溶かしバターに砂糖とはちみつを入れて混ぜ合わせてから、牛乳と卵の黄身を投入。
全体を混ぜ合わせながら、白身は別に泡立てるのですがここは出来れば器具を使った方がいい所。
「今日は一気に身体強化をつかってやるから、そっちの液をしっかりと混ぜ合わせてくれる?」
「分かりました」
精霊には液を混ぜ終ったらホットケーキミックスも一緒に入れて混ぜ合わせてもらっている間に身体強化を自分に使って一気に白身をメレンゲに。
普通に泡立て器を使ってしっかりとかなりしっかりとツノがたつぐらいまで泡立てないといけないのですが、コレが後でフワフワの素になるので妥協は許されません。
精霊の方もホットケーキミックスを入れて混ぜるのですがダマは無く、でも混ぜすぎないというなんとも判断が難しい説明に。
殆ど今のモノは大丈夫ですが、それでも気になるのであればふるいにかけながらボウルに入れて全体をしっかり混ぜます。そして塊が無い事を確認したらそこまで。
そのぐらいの作り方だと混ぜすぎていないいい感じに出来あがるかと。
「いい感じに混ざったかと」
「ダマナシ?」
「ダマナシです」
「オッケー」
精霊が作ってくれた黄色い生地の方に卵白を泡立てたメレンゲを二回に分けて混ぜ合わせるのですが、一回目は少し少なめで卵白を足すと全体が緩くなるのでその緩さを利用して二回目も混ぜ合わせます。
ここでも混ぜすぎは厳禁なので、さっくりと混ぜ合わせましょう。
ここまでできたら後は焼くだけ。
フライパンに油を染み込ませたキッチンペーパーなどで塗るような感じで油を敷いて、生地を流し込みます。
しっかりと蓋をして、十分前後。火加減はかなり弱火でじっくりと焼いていきます。
十分ぐらいたったらひっくり返すのですが蓋を開けるとすっごく甘くいい香りが。
「おおぉ、ケーキと言うか甘いいい香りですね」
「だね。食欲がそそられるね」
「ですです」
ヘラなどで軽く底の色を確認して、色がしっかりと付いていればそこがタイミング。
全体に一度ヘラを通して混ぜやすくします。
そして普通はこのままひっくり返すのですが、本格的にしたい気分があるので、今の上面にあればザラメ、無ければ砂糖をパラパラと掛けます。
このままひっくり返すと確実に焦げてしまうのですが、今は便利な世の中。
オーブン用のペーパーを砂糖の上に乗せてひっくり返すとフライパンとの間にペーパーが挟まる形に。
こうすれば焦げが最小限で抑えられるので、さっきと一緒でひっくり返して十分少々。
焼けているかの確認は竹串を刺して中がしっかりと焼けている事を確認します。
しっかり蓋をして火を通したら完成です。
「ザラメは何故敷いたのです?」
「まあ、食べるとわかると思うんだけど」
「ふむぅ?」
出来たモノをそのままするっとまな板へ。
等分に切りそろえてから一片をお互いのお皿に置いて早速食べましょう。
「「いただきます」」
出来立てはどんなかんじかな?
フォークで一口食べたのですが、外は少しだけカリっとしていて中はふわふわ。
そして思い通りに底は少し硬くザラメが溶けていい感じのカラメルに。
「いい感じのカステラになった感じしない?」
「かなり美味しいのですが、熱い所へ持って行ってだ丈夫ですかね?」
「あー、リュックも範囲に入っていれば問題ないんじゃないの?」
「私の魔力が大変そうなのですけど!?」
「大変、かもね」
「酷いっ!」
笑いながらもそんな会話をしながら、今回もお菓子を持っていくことに。
久しぶりのダンジョン、武器も変わって色々と違う事になってきそうなので凄く楽しみなのですが、そんな事を考えていると、
「で、お夕飯は?」
「…………なにか精霊が作れば?」
「えー、面倒ですよ」
「そっくりそのままお返ししたい言葉だね」
「ダメです」
おやつを食べている時に夕飯の話をされてどうしようかと悩みたくないので大きなため息が自然と出ます。
ダンジョンに向けて支度を進めるとしましょう。
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