オイルサーディンチャーハン
年末年始も普通に更新は続くので安心して?(笑)続きを読んでいて下さい<(__)>
ジャーキー作りが終ったら結構いい時間になってしまったので、今日の外出は無しの流れになったまでは良かったのですが、
「外出しないのなら夕飯も食べていこうかな?なにこのままお酒を飲んで時間はいくらでも潰せるから急がないでいいし気にしないでいいよ?」
と、がーさんも言うのでがーさんの事は気にせずに夕飯を作ることに。
ただ、ジャーキーの味見を皆でしているのでそこまでお腹は減っていないと思われるのですが、隣の精霊は、
「お夕飯楽しみです」
こんな感じでちっとも腹の足しになった様には見えず。
僕だけがお腹が結構一杯なのかと思ってがーさんを見ると、
「急いでいないのはお腹もそれほど減っていないからだよ?」
「そうですよね?」
「だよ。まぁ、ここでこうやって食べていたら残るものも残らなくなりそうでどうしようか迷う所だけどね」
「ですか。まぁ、このお肉は次回のダンジョンで食べるようなのでこのまま保存ですからいいですけど」
方向性は決まっているというか、そもそもがジャーキーを作るのは干し肉のストックが減ってきていたためだったので、買いに行けばいいかなと思っていましたがさっきやった感じだと自分ですぐに作れるのでここもまた迷う所。
「そう言えば、ダンジョンは順調なんだねぇ?」
「お陰様で凄く楽しめていますよ。二十一階までいけて大体五階で帰れるので無理をせずにって感じで進んでいる所です」
「なるほどね。精霊もちゃんと役立っている?」
「ええ。モンスターの情報をしっかりと教えてくれるので大助かりですよ」
「私の活躍の話ですか?」
精霊は自分の話だと分かった様で、すぐに会話に加わってきます。
「そうだよ。ダンジョンで凄く役立っているって」
「ふふん、ギルドの人達よりもいい情報満載ですからね」
「あ、そうなの?」
「勿論ですよ。モンスター情報はあまりギルドでは手に入らないので、独自のルートで私が手に入れているのですから」
精霊の一言に笑ってうなずくがーさん。
「そうだね。精霊は精霊なりに頑張っているよね」
「なんです、がーさん?」
「いや、なんでもないよ。ゆうはんをどうするのかなーって雅君が気になっただけだよ」
「あ、そうです。雅、夕飯はなにになるのです?」
露骨な話題そらしにあてられた気がしますが、お腹がいっぱいなのであまり浮かんでいないというのが正直なところ。
「まだ何も決まっていないんですけどね」
「私のお腹はアラートがなっているのですが?」
「ジャーキー食べたんだから、もう少し容赦してよ」
少しばかり泣きごとのように僕が言うと、
「そうだよ。あまり無茶を言っちゃいけないよ?」
「ですかぁ。でも雅の料理は美味しいのでいつも食べたくなっちゃうんです」
「それは分かるけど、ね?」
「ですかぁ」
言ってくれる言葉は嬉しい限りですが、浮かばないときは浮かばないモノ。
とりあえずお酒のつまみに何か出さないと悪いかなと思って開ける棚は缶詰の棚。
そこで目があったのはオイルサーディン。
これならつまみに最適で、蓋を開けてチーズを振ってオーブンで温めるだけのチーズオイルサーディンなども出来るのでいいかなとおもったのですがそのまま夕飯にも使えそう。
「夕飯にはちょっとお少ないかもしれませんが、イイの思い付きました」
「ぉ、それは楽しみだね」
「雅は何を作ってくれるのです?」
「ん、それはチャーハンだよ」
「「チャーハン?」」
がーさんと精霊ははてなマークを頭の上に浮かべた感じでいましたが、出来上がりを自分の中で想像できたので、すぐに作ってみることに。
使う材料はシンプルにオイルサーディン、卵、タマネギ。あと、決め手になるのはレモン。
タマネギをみじん切りにして、卵は割ってしっかりと白身を切ってご飯は暖かいものを準備。
フライパンにオイルサーディンの油を半分入れて先に卵を焼きます。
菜箸などを使って卵に空気を入れる感じでふわっとした卵焼きを作ったら一度お皿に取り出して同じフライパンに残りのオイルを入れてタマネギを入れます。
火は弱めでタマネギを少しじっくり炒めている間にオイルサーディンの魚をほぐしておきます。タマネギの色が透きとおって少し香りがして来たら魚も投入。全体が混ざってきたら温かいご飯を入れて、塩コショウで味付けを。濃い目の味が良ければここに鶏ガラ出汁をいれるか、調味料を入れてもオッケー。
最後に卵を足して全体を混ぜ合わせたら出来上がりですが、最後にもう一つ。
櫛切りにしたレモンを添えて完成です。
普通にこのままの味で食べるだけでも美味しいのですが、少しだけレモンを絞るとさっぱりな感じでちょっと洋風。中華なのにヨーロッパ感が感じられる不思議な感じ。
「どうぞ、オイルサーディンチャーハンです。レモンはお好みで絞ってください」
出すや否や、二人ともスプーンを取ってまずは一口。
そのままの味だとオイルサーディンの魚の風味のあるしらすのチャーハンのような感じのアッサリ感。タマネギが少し甘くて、コショウのピリッとした辛さと塩っ気が丁度いい感じなのですが、レモンを絞るとまた少し違った感じに。
「これは、何とも不思議な。でも、うん、美味しい」
「美味しいけど、不思議で、不思議だけど、美味しいですね?」
「口に合ったのならよかったです」
食べ始めてみるとそのサッパリさからか、意外と食べられるもので。
自分も意外と手が進み、しっかりと一人前食べられます。
「あ、明日のお昼だけど、もしできたら作って欲しいものがあるんだけど出来る?」
「何でしょう?」
がーさんから明日のランチの注文が。
作ることが出来るものだったので、明日のランチは悩まないで済みそう。
明日はゆっくりとした朝を迎えられそうです。
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