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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
1738/1748

★ダンジョン532


百十七階の探索を早速始める為、一歩目を踏み出して向かうのは東側。


 ただ、かなり広いフロアにおりたのもあって、いつもだとすぐにみえる周りの壁が全く見えず少しばかり戸惑いますが、あるていどあるけば壁にあたるはずなので一応周りを気にしながらある程度進むわけですが、自分達の前に壁も現れなければ名前の分かっているキャロットマージも見つけられません。


「……いないなんてこと、無いよね?」

「ええ。そんなはずはないと思いますが……いないですね?」


 歩き始めて一分少々。いつも通りであればフロアを歩いていればどこかしらで相手の後ろ姿ぐらいは見られるはずなのに、その気配もありません。


「念の為の確認だけど、奇襲をしてくるとかは……?」

「鍵の情報通りだとそういうのも確認されていませんね」

「じゃあ、運がいいのか、悪いのかわからないけど、ただあえていないだけ?」

「みたいですね」


 土の色とニンジンの色で考えれば見えれば見逃すはずないと思っていたわけですが、ここまで欠片も見られないと不安にもなってきます。


「居るはずではあるんだよね?」

「ええ。いっそのこと、魔法で確認します?」

「それは少しだけ考えたけど、最終手段でいいかなって」


 ここまで広いフロアなのに見つけられないのは流石におかしいと感じて、ちらっと二人を見てみると、なにか鍵の情報をかくにんしたみたいで、言っていいのか悪いのか確認したい空気。


「ネタバレって程じゃないけど、別に言ってもいいよ?」

「でしたら、私が」


 精霊がそう言うと、肩うえで足をプラプラさせながら教えてくれます。


「雅はニンジンと聞いて、葉っぱが土の上に出ているモノを想像したのでは?」

「そりゃあ、まあ。土の中に根を張ってその根っこがニンジン本体なわけでしょう?」

「ええ。そうなんですけど、それが今回あだになっていまして……」

「あだ?」


 あれ?と、そこで初めて自分が固定概念にとらわれていた事に気がつきます。


「ニンジンって、土の中にいるものだと思っていること自体がもしかして間違っていた?」

「いえ、まあまちがっていないのですが正確でもないというのが落としどころですかね」

「正確でもない?」


 それってどういう事?と聞こうとした瞬間、ボコッという音が斜め後ろから聞こえ、慌てて刀に手を掛けながら振り向くとそこにはニンジンの先っぽが土の中から出てこようとしています。


「ん?」


 なるほどでもなく、頭の上にはてなマークが出るのが適当と言わんばかりのにんじんの尖っている部分がゆっくりと土から出てくるわけですが、半分ぐらい出てきたところでさっきタマネギの時に見たようなひょろっとした根っこみたいな足がうにょんと二本はえて、しっかりと土を踏むと、一気にスッポンと音が聞こえるほど勢いよく上の部分が抜かれ、葉っぱがファサっと、前後に揺れながらにょきにょきと足に続き手が二本出て来るのですが、右手に本のようなモノ、左手には杖のようなモノ。そして、ファサっとなっていた葉っぱの所からキラキラとした何かがキャロットマージ全身に降り注ぐと、ローブのような服を纏った状態に。


「これは、完全に出て来た感じ?」

「ですね」

「こいつがキャロットマージですね」


 オニオンナイトの時と同じで人よりは少し小さめながらも、杖や本を携えていて一丁前にローブまで羽織っているので、格好だけを見るとそれなり。


「弱点もあるんだよね?」

「ありますよ。聞きます?」

「いや、戦いながら……どうにかするけど……」


 そう言っているうちに、杖をピカっと光らせてキャロットマージが攻撃をしてきます。


 光った杖から出てきたのは土塊。それもかなり尖っていて、三つほどを纏めてこっちに撃ってきますが、普通に見てから避けられる程度の魔法。

 観察したいわけではないのですが、横移動で簡単に土塊を避けるともう一度杖を光らせて、次は水の玉を同じように放つのですが、土塊同様のスピードというのもあって怖さが無く、サッと避けるとキャロットマージは悔しそうに地団太を踏み、持っていた本を地面にたたきつけ、もう一度杖を光らせると、今までより少し大きくなった火の玉を作って同じくこっちに向けて投げてきますが、速さは変わらず。

 普通に横に移動すれば避けられるのでそのままスッと横に移動して火の玉も避けます。


「この感じだと、次は風かな?」

「見えないと困りそうですが……」


 風の玉だとぱっと見て判断というのが難しいかと思ったのですが、抜けているのか優しいのか、杖を光らせるとおもいっきり緑色の風って感じのボールを作って、同じように投げて来るので、今まで同様に横に避けつつ回避をすると、少しだけ疲れた感じになっているキャロットマージ。


「四発の魔法で疲れちゃうのね……」

「まあ、属性の違う魔法を打てるという意味では多少の脅威はあるかもしれませんけど……」

「あたらないと、意味ないんですよね」

「まあ、そうなんだよね」


 折角魔法の使える野菜のモンスターですが、今の時点でも残念な感じがヒシヒシと。

 そして、分かりやすく変化した部分があるので、そこをちょっと狙ってみましょうか。





ああ。。。(残念な目で見る)

やっぱり。。。(笑)


なんでですかねー。強いイメージがわかない……。

別に野菜を下に見ているつもりはないのですがどういう事だろう


野菜は美味しいけど、歯向かうモノではないって事ですかね?

うぅん……。

どうにか、ちょっとでも強い……お野菜……できないかなぁ(笑)


未来の自分に勝手に任せているわけですが……駄目そうな気がするなー(笑)



今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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